まずはおさらい。
月経の役割って?
女性のからだは、初潮から閉経までの間、妊娠のための準備が毎月、繰り返されています。そして毎月、妊娠に備えて厚くなった子宮の内膜、つまり受精卵のための特製ベッドが、妊娠が成立しなかったために必要なくなり、はがれ落ちるのが月経(生理)です。
月経の回数、
なんと昔の10倍?!
昔は…
若くしてお嫁に行き、子どもを何人も産み育てる女性がたくさんいました。妊娠中・授乳中は排卵しないため、子供を産む間、月経はありません。また、栄養状態も悪く排卵回数そのものが少なかったこともあり、生涯で経験する月経回数は、せいぜい50回ぐらいだったと言われています。
現代では
栄養状態がよくなったこともあって、日本女性の平均初潮年齢も12歳と、以前と比べて3〜4年早まっています。閉経年齢の平均は51歳ですから、その間約40年。その上、出産回数は格段に少なくなっているので、現代女性が経験する月経は、生涯に450〜500回にもなります。つまり単純に計算しても、現代女性は月経回数も、生理痛に悩まされる回数も、約10倍も増えているのです。
生理痛の症状や重さは人それぞれですが、生理痛が「かなりひどい」「ひどい」と感じている人は女性全体の30%近くで、「がまんできる程度」の人を合わせると、何らかの生理痛を感じている人は全体の8割近くにものぼります。
また、「かなりひどい」という人のうち7割近くが病院を受診しており、市販薬を服用した経験がある人は、生理痛を感じる人全体の50%を超えています。さらに、生理痛が「かなりひどい」「ひどい」人の年齢別の割合は、25歳未満では43.1%、25〜30歳未満では38.2%を占めていて、若い人ほど生理痛に悩まされていることがわかります。
データ:(財)女性労働協会による「働く
女性の健康に関する実態調査」月経痛
の程度(閉経と答えた人を除く)(平成15
年度厚生労働省委託事業として実施)
対馬ルリ子先生