群発頭痛とは?
圧倒的に男性に多い頭痛
頻度としては非常に少ない特殊な頭痛ですが、「群発頭痛」も慢性頭痛の1つです。
この頭痛は20代後半〜40代くらいの、働き盛りの、しかも圧倒的に男性に多い頭痛で、女性に起きることはまれです。家族歴もあまり関係ありません。
どちらか片方の目の奥が「アイスピックで突き刺されるように」、あるいは「焼け火ばしを当てられたように」激しく痛むのが特徴で、そのような痛みが毎日、夜中から明け方ごろの決まった時間帯に起こり、1〜2時間続きます。
片頭痛が動くと痛みが強くなるのに対して、群発頭痛は痛いときにのたうち回ることで痛みが軽減することが特徴的です。
痛みと同じ側の目が真っ赤に充血して、鼻水、鼻づまり、発汗、流涙などの自律神経症状も出て、ひどい人はそれによって目が細くなったりします。このような発作が1〜2カ月くらいのあいだ毎晩繰り返されるので、この時期を群発期といいます。発作はあるときを境にパタッとおさまり、1〜2年たつと、また同じような痛みが始まります。
「群発頭痛」も原因はよくわかっていませんが、体内時計が関与しているのではないかといわれています。体内時計は脳の視床下部視交叉上核にあって、私たちの体の日内リズムを刻んでいますが、何らかの原因でこれが乱れると、目の奥にある血管に異常が起きるのだろうと考えられています。
おかしいな?と思ったら専門医へ
OTC医薬品を飲んでも症状が改善されない場合や、明らかに深刻な病気と思われる場合は、服用を直ちに止め、すみやかに医師の診断を受けましょう。悪化した場合は他の疾患や合併症が考えられますので、医師や薬剤師の指示を仰ぎましょう。また、妊娠中の場合は服用前に主治医にご相談ください。
監修
医学博士/東京女子医科大学 脳神経外科 頭痛外来 客員教授/
獨協医科大学 脳神経内科学 臨床准教授(兼任)
清水俊彦(しみずとしひこ)医師