女性に多いといわれる
頭痛持ち、そのわけは?
頭痛についてみてみると、「緊張型頭痛」、「片頭痛」ともに、男性より女性のほうが有病者が多いことがわかります。
緊張型頭痛の有病率(日本)
女性が男性の約1.5倍
男女とも、働き盛りに多い傾向があるものの、各年齢層に幅広く起きています。
片頭痛の有病率(世界)
女性が男性の約3倍
圧倒的に女性に多いのが特徴です。これは世界中で共通しています。
昔から「頭痛持ちといえば女性」というイメージがありますが、はからずもこうしたデータが、それを物語っています。ちなみに、慢性頭痛の1つである「群発頭痛」の有病者はほとんどが男性で、女性に起こることはまれです。
女性のほうがストレスが多い?
「緊張型頭痛」は、精神的なストレスも大きな原因となります。その「緊張型頭痛」の有病率が、男性より女性のほうが多いということは、とかく女性のほうが男性よりストレスが多いともいえるかもしれません。
女性ホルモンと片頭痛の関係
片頭痛患者がなぜ女性に多いのかという理由はわかっていません。同じように男性よりも女性に多い病気としては、アルツハイマー病が知られています。どちらも性染色体が何らかの形で関与しているのかもしれませんが、それについてはまだ解明されていません。
ただ、女性の「片頭痛」の中には、女性ホルモンが関係していると思われるものがあります。
ただ、女性の「片頭痛」の中には、女性ホルモンが関係していると思われるものがあります。生理が始まるころになると必ず頭痛がするという人や、生理が終わると頭痛が起きるという人は多くいますが、これらはいずれもホルモンが変動する時期に起こっています。なかでもエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減ると 脳内のセロトニンも減少します。セロトニンには血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする働きがあるので、これが減少すると痛みに過敏になって頭痛が起こりやすくなると考えられます。
閉経後、ホルモン補充療法を行うと「片頭痛」が悪化するケースがあることなどをみても、エストロゲンが「片頭痛」とかかわっている可能性はありそうです。閉経後、ホルモン補充療法を行うと「片頭痛」が悪化するケースがあることなどをみても、エストロゲンが「片頭痛」とかかわっている可能性はありそうです。
閉経後、ホルモン補充療法を行うと「片頭痛」が悪化するケースがあることなどをみても、エストロゲンが「片頭痛」とかかわっている可能性はありそうです。
閉経すると片頭痛はなくなる?
多くの人の場合、「片頭痛」は思春期から20代くらいにかけて始まり、50〜60歳ごろまで続きます。昔は「閉経すると「片頭痛」もなくなる」といわれましたが、 必ずしもそうではありません。70歳くらいになっても「片頭痛」で通院している人もいますので、年をとると完全になくなってしまうということでもなさそうで す。ただ、一般的な傾向としては、年をとると痛みの程度が弱くなるようです。
このため、お年寄りが激しい頭痛を訴えたときは要注意です。お年寄りが激しい「片頭痛」を起こすことはほとんどないので、その場合は、脳出血などによる二次性頭痛が疑われます。