症状を知ろう さまざまな痛み 痛みに悩まず 心も体も軽やかに “痛み”の原因と対処法を知って適切に対処しましょう。 症状を知ろう さまざまな痛み 痛みに悩まず 心も体も軽やかに “痛み”の原因と対処法を知って適切に対処しましょう。

01 咽頭いんとうについて

のどが痛くなる原因には、空気中のほこりや花粉、声の出し過ぎ、過度な喫煙や飲酒が原因の「のど単体で起こるもの」と、風邪やインフルエンザ、扁桃炎など「細菌やウイルスの感染によるもの」とがあります。

??咽頭痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

のどの痛みが続き、ほかにも気になる症状があった場合は、急性咽頭炎やインフルエンザなど感染症の可能性もあるため、早めに内科や耳鼻咽喉科などで診察を受けましょう。受診する目安としては、次の症状が挙げられます。

  • 膿(うみ)があるとき
  • 声がかれたまま改善しないとき
  • 飲み込むときにガマンできないほどの強い痛みがあるとき
  • のどに違和感や異物感があるとき
  • 痰(たん)に血が混じるとき
  • 呼吸が苦しいとき
  • 39度を超える発熱を伴うとき
  • 食べ物や飲み物を飲み込めないとき
  • 食べ物や飲み物でむせるとき
  • OTC医薬品(市販薬)等のセルフケアでも改善しないとき
セルフケアでできること

のどが痛いときには、次のような行動を心掛けましょう。

  • 飲酒や喫煙を控える
  • 辛い食べ物、熱すぎるもの、冷たすぎるものなどの刺激物を控える
  • 大声を出すなど、さらに痛みが増す行為を避ける
  • のどが乾燥しないように、マスクを着用したり、加湿器などで室内を加湿する

02 関節痛について

関節の痛みが起こる原因は、スポーツなどで靭帯や半月板などを傷めたときや、関節リウマチ、感染性関節炎、痛風発作、インフルエンザなどの病気によるものなどいろいろありますが、日本人に最も多いのは変形性関節症です。加齢とともに骨と骨との間のクッションの役割をする軟骨がすり減って痛みが発生します。

??関節痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

痛みが激しく高熱がある場合は、インフルエンザ、関節リウマチ、感染性関節炎などが考えられます。それぞれの病気や原因に応じた治療が必要です。
また、下記の症状がある場合は、早めに受診しましょう。

  • 変形性関節症が慢性化した場合
  • じっとしていても痛む、歩けば歩くほど痛みが増す
セルフケアでできること

一時的かつ激しい痛みではない場合は、セルフケアで様子をみることも可能です。動き始めに少し痛む程度で、関節のまわりの腱や筋が張って痛みが起こっていると考えられる場合は、温めたりマッサージをすることでも和らぎます。

03 神経痛について

末梢神経のうち、感覚神経がなんらかの原因で刺激を受け、末梢神経の経路に沿って生じる痛みを総じて神経痛と呼びます。
刺激を受けた感覚神経が痛みを感じ取り、中枢神経に伝え、「痛い」「しびれる」といった症状が現れます。

??神経痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

神経痛を繰り返す場合や痛みが治まらない場合は、早めに専門医を受診し、原因を確定して適切な治療を受けましょう。
特に、心臓・肺・胃・肝臓・膵臓(すいぞう)といった臓器になんらかの疾患がある場合は肋間に痛みが生じることがあり、脳に問題がある場合には三叉神経痛に似た症状がみられます。
顔面や肋間に痛みが続く場合は、早めに受診しましょう。

セルフケアでできること

どのタイプの神経痛も、動くと痛みが増すので、下記の行動を心がけましょう。

  • 長い距離を歩かない
  • 重いものを持たない
  • 無理をせず、痛みがひどい場合には安静にして楽な姿勢をとる

04 筋肉痛について

筋肉痛とは運動に伴って起こる筋肉の痛みです。一般的には、運動が終わった数時間後から翌日~翌々日というように、時間を置いて起こる「遅発性筋痛」が、「筋肉痛」と呼ばれています。慣れない運動を行ったとき、普段使わない筋肉を使いすぎた場合などに顕著に現れます。

??筋肉痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

次のような場合には病院に行きましょう。病気やケガが隠れている場合もあります。

  • 1週間以上経っても痛みやこわばりが取れない場合(まれにリウマチ性多発筋痛などの疾患の場合があるため)
  • 局所に急激な痛みがある場合(筋肉痛ではなく、ケガや骨折の可能性があるため)
  • 全身性の痛みがある場合(他の疾患の可能性があるため)
  • 運動をしたわけではないのに、筋肉痛のような痛みがある場合(内臓疾患の可能性があるため)
  • OTC医薬品を使用しても効果がみられない場合
セルフケアでできること

運動後の筋肉痛は、セルフケアで軽減できる場合がほとんどです。筋肉痛を早く治すために、次のようなことを心がけるとよいでしょう。

  • 血行をよくするため、38℃くらいのぬるめのお湯にゆったりつかった後、ゆっくりとストレッチをする。
  • 筋肉を補修するたんぱく質とともに、血行促進効果のあるビタミンC、Eなどを含むバランスのとれた食事を摂る。
  • しっかりと休息をとる。

05 ねんざ痛について

ねんざとは、不自然な形にひねることで関節の靱帯や腱、軟骨などが傷つくケガのことです。関節部分の血管が傷ついて内出血を起こすと、その部分が腫れてきます。体の、どこの関節にも起こる可能性がありますが、足首や指などに多くみられ、突き指もねんざの一種です。スポーツのほか、転んだり、高齢者が階段を踏み外したりして起こるケースも多くあります。
こうした炎症、傷などの刺激によって発痛物質というものが作られ、痛みが起こります。

??ねんざ痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

次のような場合は早めに整形外科などを受診しましょう。靱帯が断裂していたり、骨折している可能性があります。

  • 腫れがひどく、歩けないほど痛い場合
  • 関節がグラグラして不安定な場合
  • 安静に過ごして1~2週間経過しても痛みが治まらない場合
セルフケアでできること

靱帯が傷むレベルまで重くなければ、セルフケアできます。腫れがそれほど目立たず、痛みも我慢できる程度なら、まずは次のようなケアをしてみましょう。

  • 氷や冷水、冷感シップなどで冷やす(ねんざ後2~3日が目安)
  • 入浴や足浴、温感シップなどで患部を温める(ねんざ後4~7日が目安)

ただし、靱帯の部位によっては痛みを感じにくいこともあるため、1~2週間しても痛みがあり、関節の不安定さを感じる場合などは念のため受診しましょう。

06 歯痛について

「冷たいものを食べると歯がしみる」「時々、歯の奥がズキズキと痛むことがある」など歯痛にはさまざまな症状があります。
歯痛の原因として多いのは、虫歯や歯周病をはじめとする歯科疾患ですが、歯や歯ぐき以外に原因があることもあり、その場合は治療法も大きく異なってくるために注意が必要です。

??歯痛の対処は
どうしたらいいの?

医療機関での受診をおすすめする場合

虫歯や歯周病による激しい痛みを感じるようならば、歯科での根本治療が必要となります。
放置しておくと、痛みや腫れがさらに悪化する可能性もあります。
また、歯や歯ぐきに異常がなく痛みの原因が思いつかない場合、心臓疾患や副鼻腔炎など別の病気が原因の可能性があるので注意が必要です。

セルフケアでできること

歯が痛む時は次のケアをしてみましょう。
いずれも一時的に痛みをやわらげるだけで、根本治療にはならないため、できるだけ早く受診しましょう。

  • 患部を冷やす
    氷をくるんだタオルや冷却シートなどでほお側から冷やすと、血流が鈍くなって痛みをやわらげることができます。
  • 口の中を掃除する
    歯や歯ぐきに詰まった食べかすが神経を圧迫していることもあり、歯ブラシやデンタルフロスで掃除したり、ぬるま湯で口をゆすぐなどして、口の中をきれいにします。