肝斑の症例を見る
肝斑の症状の特徴
肝斑の症例を見る
肝斑の症例の特徴は、次のようにまとめることができます。
- 境界明瞭な淡褐色斑。
- 額、ほほ、頬骨部、口囲に左右対称性(両側性)にみられる。
- 目の周りを避けて、目の下を縁取るようにして発症する。
- 大きさと形はさまざま。発症部位が丸い形ではない。
- 成年女性に多いが、高齢になると軽快することもある。
- 妊娠や経口避妊薬でしばしば増悪する。
43歳女性
この方は、43歳女性の方です。
この方は肝斑と小さな老人性色素斑が混在しています。眼の周りをさけて両頬に左右対称性に点ではなく、面で存在しているのが肝斑です。その上に小さな点で存在するのが、小型の老人性色素斑です。
このような場合はまず、肝斑に対する治療(トラネキサム酸、ビタミンCの内服)を開始します。理由は肝斑にレーザーや光治療を行うと、かえってしみが濃くなることもあるからです。
52歳女性
この方は、52歳女性の方です。
両ほほに左右対称性に肝斑がみられます。両ほほの広範囲に境界がはっきりしない肝斑がみられます。肝斑に対する治療(トラネキサム酸、ビタミンCの内服)を開始します。
54歳女性
この方は、54歳女性の方です。
両ほほに左右対称性に肝斑がみられます。しみというと輪郭のはっきりした丸いしみをイメージすると思いますが、肝斑は違います。肝斑はこのようにまるで蝶が羽を広げたようなとても特徴的な外観をしています。
境界がはっきりしない、両ほほに左右対称性にみられるしみには肝斑を考えて、治療(トラネキサム酸とビタミンCの内服)を行います。
46歳女性
この方は、46歳女性の方です。
この方は両ほほ全体を覆ってしまうほどの広範囲の肝斑がみられました。このように肝斑は、他のしみと比べて存在する面積が広いので、ファンデーションやコンシーラーで隠すことがとても難しく、女性に与える精神的ダメージがとても大きいという特徴がみられます。この方も初診時、“外に出るのも辛い”とおっしゃっていました。
近畿大学医学部附属病院 美容皮膚科レーザーチームリーダー
山本 晴代先生
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本皮膚科学会美容皮膚科・レーザー指導専門医
日本美容皮膚科学会 代議員
日本レーザー医学会指導医・専門医
日本抗加齢医学会専門医