しみのメカニズム
一番下の基底層にあるメラノサイトが、しみのもととなるメラニンをつくり出します。
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紫外線などの刺激をうけるとメラニン生成
表皮が紫外線などの刺激をうけるとメラノサイトに信号が送られます。するとメラノサイトはメラニンという色素を生成し、細胞内のメラノソームという小胞に蓄積します。メラニンが充満したメラノソームは、メラノサイトの先端からケラチノサイトに受け渡され、ここでメラニンが現れます。メラニンはケラチノサイト内に留まり、紫外線から細胞核を守るはたらきをします。
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皮膚のターンオーバー
表皮の一番下の基底層にある表皮細胞が分裂して徐々に押し上げられ、最後は細胞核のない角質に変化してアカとなってはがれ落ちていきます。これがターンオーバーで、およそ42日のサイクルで行われます。紫外線などの刺激をうけてつくられたメラニンも細胞とともにはがれ落ちていくので、通常の一時的な日焼けなら約1ヶ月後には消えるしくみになっています。
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大量のメラニンの滞留がしみに
長時間または強い紫外線などの刺激をうけると、メラノサイトの数が増え、メラニンの生成は活発化します。一方、加齢、紫外線の浴びすぎ、肌への過度の刺激、ストレスなどによりターンオーバーのサイクルが乱れると、新陳代謝が滞留しメラニンも滞留してしまいます。たくさん生成されても、なかなか消えていかないメラニン。これが、色素沈着が進んだしみの正体です。
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肌の色素沈着の正体はメラニン
皮膚の構造で、いちばん外側にあるのが表皮。4層になっている表皮の大部分がケラチノサイトという表皮細胞です。4層のいちばん下の基底層に、約36個の基底細胞に対して1個といわれる割合で分布しているのがメラノサイト。メラニンは、そのメラノサイトで作り出されています。メラニンの量が増えすぎると、ケラチノサイトの部分で色素沈着がおこり、しみとなって現れます。
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でも、メラニンは本来、悪者ではありません
しみのもとがメラニンであるとすれば、人間のカラダにとってはありがたくないもののようですが、本来メラニンは、紫外線から肌細胞を守るために作られます。紫外線を長時間浴びたり、強い紫外線に無防備でいると、それに応じてメラノサイトが活性し、メラニンの生成が盛んになります。その結果、ケラチノサイト内に送られるメラニンの量も増加します。
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ターンオーバーとともに、メラニンもさよなら
一度たまったメラニンは、それぞれの細胞と運命をともにします。表皮は、基底層のケラチノサイトが細胞分裂して徐々に生まれ変わり、古い細胞が押し上げられ、最終的にアカとなって排出されるという「ターンオーバー」を繰り返しています。メラノサイトから作られ、ケラチノサイトを守っていたメラニンもお役御免となり、一緒に排出されていきます。
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ターンオーバーが追いつかなくなると、メラニンが溜まり、しみに
ところが、加齢やさまざまな要因でターンオーバーのサイクルが遅くなればなるほど、メラニンも排出されず、皮膚の中に残ったままとなります。紫外線を浴びることによってどんどん増えるメラニンと、ターンオーバーが追いつかなくなって消えていかないメラニン。これがしみの原因となります。