なぜ、くすりにはいろいろな形があるの?
とてもよい質問です。
飲むくすりには錠剤やカプセル、粉薬や顆粒、液体のシロップ剤などいろいろな形があります。
また塗るくすりには軟膏やクリームがあるし、貼るくすりには湿布やテープがあります。
そうそう、坐薬や目薬もありますね。
それぞれが体のどこから吸収されるのか、どのくらい効果が続くのか、使いやすいか、安全性を高められるか、などを考えた形になっています。
錠剤
くすりの表面をコーティングして、飲みやすくしたり、胃で溶けずに腸で溶ける・ゆっくり溶けるなどの工夫をしているものもあります。
カプセル剤
腸で溶けるように工夫しているものがありますので、噛んだり中身を出したりせずに飲みます。
飲む水が少なすぎると、食道にカプセルがくっついてしまうことがありますので、十分な量の水で飲みましょう。カプセルの中に液体が入っているものもあります。
粉薬(散剤)
先に少量の水で口をうるおしておくと、飲みやすくなります。
飲みにくいときは、オブラートなどを利用するとよいでしょう。
顆粒剤
飲みやすいように、くすりの粉を粒状にしたものです。
粒がゆっくり溶けるように表面を工夫したものもありますので、噛まずに飲みます。
液剤・シロップ剤
容器をかるく振ってから、きちんと分量を計って飲みます。
顆粒状になった小児用のドライシロップは、水に溶かして飲むことができます。
- ※ドライシロップはミルクやジュースに溶かしてはいけません。
軟膏やクリーム
くすりを塗る前に、手指と塗るところを清潔します。
指にくすりをとって、症状のあるところにのばします。
塗るくすりの形としては、その他に液剤やローション剤、ジェル剤、スプレー剤などがあります。
湿布、テープ
皮膚を清潔にし、水気をふいてから貼ります。
しわが寄らないように注意しましょう。
テープ剤の中には、皮膚から効き目成分が体内に吸収され、飲むくすりと同じように効果を発揮するものがあります。
坐剤
肛門に挿入するくすりです。
挿入後に坐剤は直腸で溶け、粘膜から効き目成分が吸収されます。
できれば排便をすませておいて、先の細い方から坐剤を一気に挿入します。
挿入後、10秒くらい、ティッシュペーパーなどで肛門を押さえておきましょう。
点眼薬
顔を上に向けて、目に容器から1滴落とします。
そのとき、容器がまつ毛や目に触れないようにします。
くすりをさした後、手で目をこすらないようにしましょう。
つづいて別の目薬をさすときは、約5分間待ってからさします。
くすりの効果や効き方、飲みやすさ、使いやすさなどを考えた形になっている
くすりの形ごとに特徴の違いがあるのですね。
そうですよ。
だから錠剤をくだいたり、カプセルの中身を出したりと、勝手に形を変えて飲むと、効き目が弱くなったり、副作用が出たりすることがあります。
くすりはそのままの形で飲むようにしてください*。
- *くすりによっては、薬局で調合する場合があります。
飲むくすりは、噛んだり中身を出したりせずに、そのまま飲むようにする