即戦力になる常備薬を選び、正しいセルフケアを
2021.06.01 更新
夜間の急な体調不良への備えに役立つ常備薬ですが、感染症の流行時や災害時などには気軽に買い物に行けなかったり、欲しい製品が品切れになって困ることもあります。家族構成や生活スタイルを問わず、あらかじめ備えておきたい「即戦力になる常備薬」にはどのようなものがあるのでしょうか。常備薬を正しく使うためのコツ、飲み合わせや食べ合わせの注意点なども含めて紹介します。
急な体調不良や災害などですぐに病院や薬局に行けない時にも、常備薬を用意しておけば慌てずに済みます。今だからこそ用意しておくべき常備薬や感染防止グッズとはどのようなものでしょうか。
Q1.
ニューノーマル時代に備えておきたい常備薬、衛生用品は?
A1.
突発的な体調不良やケガに対応できるよう、汎用性の高いものを揃えておきましょう
一般家庭で最低限備えたい薬には、次のようなものがあります。
総合感冒薬とは、いわゆる「風邪薬」のこと。発熱、頭や喉の痛み、咳、鼻水など様々な風邪の症状に幅広く効く薬です。「常備薬は、突発的な体調不良に対応することを目的としています。そのため、総合感冒薬のように"総合"と名の付く汎用性がある薬を備えておくと多様な症状に対応できます」と、医薬情報研究所の堀美智子先生。
一方、発熱、咳、鼻水などの症状が全て出ているわけではなく、どれか特定の症状だけの場合は、「それぞれ解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用薬など、特定の症状に絞った薬を選ぶと不要な成分をとらずに済みます」と、慶應義塾大学名誉教授の望月眞弓先生。
例えば頭痛を起こしやすい、せきこみやすいなどがわかっていれば特定の症状に合わせた薬を用意しておき、普段あまり薬を使用しない場合には"総合"感冒薬を用意しておくとよいでしょう。
熱を鎮めたり、痛みや炎症をやわらげるのが解熱鎮痛薬です。成分にはアセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリンなどがあります。「常備薬として選ぶなら、眠くなる成分やカフェインが入っておらず、消化管や腎機能に対する影響が少なく子どもにも高齢者にも使うことができるアセトアミノフェン含有のものも合わせて揃えておくとよいでしょう。痛みで眠れない場合は眠くなる鎮静成分が入ったもの、生理でむくむ人にはカフェインの利尿作用が役立つこともあります。薬剤師に相談をしてみてください」(堀先生)。
なお、解熱鎮痛成分は風邪薬にも配合されていますので、同時に服用しないようにしましょう。
胃もたれ、胸やけ、胃の痛み、消化不良などの胃腸の症状に幅広く対応できるのが総合胃腸薬です。応急的に使う常備薬に適しています。一方、特定の症状だけという場合は、「胸やけであれば胃酸分泌抑制薬やH2ブロッカー、消化不良には消化酵素製剤、腸の調子が悪いなら整腸薬など、薬剤師・登録販売者に相談の上、症状に合った薬を選ぶといいでしょう」(望月先生)。
その他、下痢止め、便秘薬など、服用する機会が多い薬があれば、それらも常備しておきましょう。
キズやケガ、虫さされやかゆみに対処する薬なども、あらかじめ準備しておくのが便利です。
湿布薬には患部を冷やす冷感湿布と温める温感湿布があります。熱をもった炎症や腫れには冷感を、肩こりや腰痛には血行を良くする温感を、と使い分けてもいいでしょう。急な虫さされやかぶれに備えて、かゆみ止めも用意を。また、毎年花粉シーズンに症状が出たり、疲れ目やドライアイなどがあったりする場合は、目薬も常備しておきたいところ。「いずれも、使用期限が過ぎれば廃棄することになるので、普段あまり使わない場合は小容量・小分けタイプや、使い切りタイプを用意すると経済的です。なお、痛み止めには、外用薬と内服薬がありますが、湿布や塗り薬は内服薬に比べ胃や腸などに副作用を起こしにくいので、最初に外用薬を使い、効果がない場合は内服薬を使うとよいでしょう」(堀先生)。
ケガの際に必要になるガーゼやそれを固定するためのサージカルテープ、包帯、絆創膏(または創傷被覆材)も常備しておきましょう。
絆創膏は、従来タイプと、キズを乾かさずに治す「湿潤療法」に対応するタイプ(「管理医療機器 家庭用創傷パッド」と書かれています)が市販されています。「絆創膏は2タイプとも常備しておくとよいでしょう。ただし、細菌感染して化膿(痛みが出て腫れたり赤くなったりしている状態)している場合や、コンクリートの上で転んだ場合は湿潤療法用の絆創膏を使ってはいけません。傷口にセメント成分などアルカリ性の粒が入り込んでいるとそこから傷が腐食するからです。傷口に砂などが入り込んでしまった場合は医療機関を受診しましょう」(堀先生)。
「また、ケガをした場合の応急処置としては、水道水で傷口をよく洗い流してから清潔なガーゼなどで水分を優しく拭きとり、傷口より大きめの絆創膏で保護する、というのが最近の考え方です」(望月先生)。アウトドアへのお出かけ用に、常備薬以外にもガーゼや大きめの絆創膏を備えておきたいですね。手当に使うはさみ、ピンセットも救急箱に常備しておきましょう。
子どもに大人用の薬を飲ませてはいけません。子どもがいる家庭では、小児用の医薬品も忘れずに備えておきましょう。「子どもは大人と比べて体の大きさに対して腸が長く、薬の吸収率が良くなります。さらに子どもは肝臓での代謝や腎臓からの排泄力が未熟であるため、薬が効きすぎたり、子どもだけに出やすい副作用があります。大人用の薬の量を減らして飲ませる、という使い方をしては絶対にいけません。例えば、アスピリンのような解熱鎮痛薬、血管収縮成分配合の点鼻薬を使用したことで、重大な副作用につながった事例も報告されています」(堀先生)。15歳未満の子どもに市販薬を使う時は年齢区分を確認、または「子ども用」を選び、わからない時には薬剤師に相談しましょう。
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの持病があり、医療機関から処方された薬を服用していることが多いのが高齢者です。不用意に市販薬を"重ね飲み"すると、特定の成分の分量が多くなりすぎて思わぬ副作用を起こす可能性があります。「一般の市販薬の添付文書には、医療用医薬品との相互作用については記載されておらず、他の薬を服用している場合には、『服用前に医師、薬剤師に相談してください』と記載されています。処方薬をもらう時に、どのような市販薬であればどういった症状の時に使っても大丈夫なのか、どのような薬を使ってはいけないのか、薬剤師に相談をすることがとても大切です」(堀先生)。
相談の際のポイントは、お薬手帳を持参すること。「飲んでいる薬やその成分などの薬歴がわかるので、『使ってよい市販薬(例えば、痛み止めに使えるもの、など)を教えてほしい』と聞きましょう」と堀先生。
Q2.
長引くマスク生活で、肌にトラブルが。あると便利な薬やアイテムは?
A2.
かぶれ薬・ニキビ薬等の医薬品や、肌のバリア機能を維持できる化粧品を活用しましょう
マスク生活が長引く中、肌トラブルに悩む人が増えています。「マスクの中が高湿度になることでニキビが悪化したり、肌のバリア機能が低下し、かゆみが起こったりすることもあります。マスクをはずしたら洗顔をして清潔な状態に。また、マスクを外した時に一気に皮膚に含まれる水分が蒸発するため乾燥が問題になることも。保湿成分を配合したクリームやワセリンを用意しておくといいでしょう。医薬品や化粧品など様々なタイプがあります」(堀先生)。
「肌トラブルには、頬などの肌荒れや乾燥、耳かけのゴムの摩擦で耳の後ろに炎症が起こることあります。まずは日々のスキンケアが大切です。かゆみや炎症には非ステロイドの抗炎症成分の入った軟膏・クリームを使います。ステロイド軟膏・クリームを使うこともありますが、顔面に広範囲に使うことはできません。セルフメディケーションでステロイドを使う場合は必要なときにさっと使って治ったらすぐ止めることです。5~6日以上使い続けなければいけないほど炎症が続く場合は医療機関を受診しましょう。非ステロイド薬が良いかステロイド薬が良いか、どう使えばよいのかは、薬剤師・登録販売者に相談しましょう」(望月先生)。
【第一三共ヘルスケアの該当製品:医薬品】
【第一三共ヘルスケアの該当製品:化粧品】
Q3.
常備薬と一緒に置いておいたほうがいいものは?
A3.
お薬手帳と保険証も同じ場所で保管すると便利。災害時を想定した備えもすれば万全です
常備薬は一つにまとめて置いておくことが基本ですが、その他にも一緒に保管しておくと良いものもあります。「お薬手帳と保険証も救急箱に近いところに置いておくと、災害などの緊急時にもすぐに持ち出せます。これらは、救急隊員が駆け付けた時など、第三者にもわかりやすい場所に置くこともポイントです」(堀先生)。
災害時の備えとして非常持ち出し袋を用意している場合は、そのそばに常備薬セットを置きましょう。「糖尿病など常用している医療用医薬品があれば、災害時に備えて3日間分程度は入れておくと安心。なお、災害時に重宝するのが、総合ビタミン剤です。避難所などではおにぎりや菓子パンなど炭水化物を主体とした食事が続くため、ビタミンやミネラルが不足しがちで、口内炎になりやすいことも報告されています」と堀先生。
災害時は、食物繊維不足で便秘になることも。「その際役立つのが青汁です。食物繊維が豊富で、カップ麺など塩分が過多になりがちな時にナトリウムを排出する助けとなるカリウムを補うことができます。粉末タイプなら保存もききます。また、避難所などでは便秘がひどくてもトイレ事情が悪くて下剤を使えないこともあります。その場合には、使用後すぐに効果が出る浣腸薬を入れておくと役立ちます。中身は保湿剤成分のグリセリン液ですから、水で薄めると保湿剤にも使えます」と堀先生は助言します。
Q4.
意外と知らない、「嘔吐」の処理方法。感染を防ぐための正しい対処法は?
A4.
あらかじめ「嘔吐物処理セット」を作っておきましょう
嘔吐の中でも、感染症が原因と思われる場合には、特に注意が必要です。急な発熱や嘔吐、下痢など、食中毒や何らかの感染症の疑いがある症状の場合の対策をご紹介します。「片付ける人が感染しないため、また周囲の家族に感染を広げないためにも、事前に"嘔吐物処理セット"を用意しておくのがおすすめです」(堀先生)。
医療機関から処方された薬の場合は、薬を受け取る時に「薬の飲み合わせ」について薬剤師が服薬指導(薬の作用や飲み方などについての説明)をしてくれます。しかし、市販薬の場合は説明を受ける機会がなかったり、添付文書をよく読まずに自己判断してしまったりするなど、飲み合わせなどの情報が不足しがちです。よく使う市販薬と他の薬との飲み合わせ、サプリメントや食べ物との相互作用についても知っておきましょう。
Q5.
添付文書にはどんな意味があるの?読むべきポイントは?
A5.
「してはいけないこと」「相談すること」に目を通しましょう
市販薬についている添付文書には、薬を効果的かつ安全に使用するために必要な情報が記載されています。特に、基礎疾患がある人、他の薬を服用している人、妊婦や授乳婦、高齢者などは使用前に必ず内容を確認しましょう。「添付文書の説明は、大切な順に書かれています」と望月先生。
添付文書の読むべきポイントは、大きく3つ。(1)「してはいけないこと」(守らないと、症状が悪化したり副作用が起こりやすくなったりする)、(2)「用法・用量」(いつ、どれだけ飲むかという使用方法や使用量)、(3)「相談すること」(自己判断で使用することが問題となり、使用後に副作用が出る恐れがあるなど、医師や薬剤師などの専門家に相談すること)です。
「添付文書は、その薬を使うための地図のようなものと考えてください。もちろん地図を正確に読むためには記号など地図の見方は学校教育で習ってくるわけですが、薬の使い方について学校教育の中でほとんど学ぶ機会がない状態です。そのため薬剤師と一緒に、その地図にあたる添付文書を見ながら説明をしてもらうとよいでしょう」(堀先生)。一般的な記載内容の確認としては、まずはその薬が"今"の症状に合っているかを確認しましょう。その上で、「してはいけないこと」を確認します。添付文書にはその薬を「使ってはいけない人」が書かれています。使っても大丈夫であれば、「用法・用量」を守って使用しましょう。「添付文書に書かれている"用法・用量"、"してはいけないこと"は必ず守るべきポイント。自己判断で守らずに副作用などの有害なことが起こった場合には副作用救済制度が受けられないので注意が必要です」(堀先生)。
参考:適切に使用しても予期せぬ副作用が出たら(「これってもしかして副作用?」と思ったら)
「相談すること」の欄には、副作用についても書かれています。「服用前と服用後を比較して、気になる体調変化がある時には添付文書をチェックして、薬剤師・登録販売者に相談しましょう」と望月先生。
ごくまれに起こる重篤な副作用についても、「相談すること」の欄に書かれています。「おかしい、という症状があれば、土曜日でも月曜日までは待たず、直ちに大きな病院で診断をあおいだほうがよいこともあります。気づいた時点で薬剤師に相談しましょう」(堀先生)。
同じような製品名でも含まれている成分が異なる場合があります。「購入時には薬剤師・登録販売者に相談を。また、すでに何らかの処方薬を服用している場合は、お薬手帳を持参し飲み合わせなどをチェックしてもらい適切な薬を選びましょう」(望月先生)。
Q6.
市販薬で注意したい薬の飲み合わせは?
A6.
ほかに薬を飲んでいる時は、飲み合わせの問題がないか薬剤師に確認を
複数の種類の薬を服用する時に注意したいのは、薬と薬の飲み合わせ。効果が弱まったり、逆に強くなりすぎたりするなど、副作用を引き起こす可能性があります。同時に服用してはいけない薬はないか、添付文書を読んで確認しましょう。「市販薬同士の飲み合わせについては添付文書に書かれていますが、医療機関から処方されている医療用医薬品との飲み合わせに関しては、市販薬の添付文書には書かれていません。調剤薬局にお薬手帳を持っていき、薬剤師に説明してもらいましょう」(堀先生)。
市販薬同士で注意が必要なものは、たくさんあります。例えば風邪薬との飲み合わせで注意が必要なのは、解熱鎮痛薬、鼻炎用薬、咳止め薬、乗り物酔い予防薬などの組み合わせ。同じ成分が重なることがあるので、同時に服用しないようにしましょう。また、漢方薬の生薬成分の「甘草」にも注意が必要です。風邪薬の葛根湯や、筋肉の緊張を緩める芍薬甘草湯など、多くの漢方薬に配合されていますが、重ねて服用すると甘草が過剰になり重い副作用である「偽アルドステロン症」が現れることがあります。手足のだるさ、むくみや血圧上昇などが現れたらすぐに受診して下さい。「甘草茶やリコリスを使ったお菓子などにも甘草の成分が入っていますので、成分のとりすぎにならないよう、薬剤師に相談を」と堀先生。
同じく漢方薬に含まれる「麻黄」も気をつけたい成分の一つです。「葛根湯、麻黄湯、小青竜湯、防風通聖散などに配合されていますが主成分はエフェドリンです。咳止め薬や風邪薬などにはエフェドリンと類似の薬理作用を示すメチルエフェドリン塩酸塩が配合されることがあるため、これらを合わせて服用すると過剰になり、動悸や頻脈が現れやすくなります。普段、体調管理のために飲んでいる漢方薬がある場合、薬剤師に相談をして、そのとき最も困っている症状を治療するための薬を優先し、いつも飲んでいる薬は一時中断するなど、飲む薬の交通整理もしてもらうとよいでしょう」(望月先生)。
風邪薬と栄養ドリンクを同時に飲む人は多いでしょう。「風邪の際には体力を消耗しているので、ドリンク剤を合わせるのは悪くありません。ただ、風邪薬の中にはカフェインが入っているものがあり、ドリンク剤にもカフェインが入っていると過剰に。この場合はノンカフェインのドリンク剤を選ぶと、重複を避けられます」(堀先生)。
Q7.
サプリメントも飲み合わせに注意したほうがいい?
A7.
セントジョーンズワート(ハーブ)に注意を
サプリメントの中にも、薬との飲み合わせに注意したいものがあります。「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウというハーブの一種)は、サプリメントとして販売されています。しかし、セントジョーンズワートは薬物代謝に影響するため、気管支拡張薬や免疫を抑える薬、ある種の血圧降下薬などと一緒に摂取した場合、薬の効果が減弱することが知られています。ただし、セントジョーンズワートとの飲み合わせで問題となるのは処方薬ですので、市販薬ではそれほど神経質にならなくてもよいでしょう。気になる場合は薬剤師に相談してください」(堀先生)。
Q8.
食べ物も薬の効果に影響するの?
A8.
薬はコーヒーや牛乳などではなく、水で飲みましょう
「薬は基本的にコップ1杯以上の水で飲みましょう。ジュースや濃いお茶は飲み合わせの問題を起こすことがあります。また、アルコールは薬の代謝に影響を及ぼしたり、薬の成分の作用を増強させて副作用を起こしやすくすることがあるので、薬を飲む際には飲酒はしないことが原則です」と望月先生。
なお、お茶に含まれるタンニンは、薬の成分を変化させ、効き目を低下させることがあります。コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどにはカフェインが含まれているものがあり、カフェインを含む薬と同時に飲むと、頭痛などの副作用を起こすことがあります。「風邪薬や解熱鎮痛薬にもカフェインが入っているものがあり、多くとりすぎると胃腸障害、心機能障害などの原因になります。添付文書の"してはいけないこと"の欄をチェックしましょう」(堀先生)。
また、「牛乳」にも注意を。「便秘薬の中には牛乳を飲んで1時間以内には飲まないように指示のあるものがあります。これは牛乳の影響で腸に到達する前に胃で溶けて効果を発揮できなくなるためです」と望月先生は説明します。
ちなみにグレープフルーツジュースは、医療機関で処方される高血圧や狭心症などの薬と一緒に飲むと薬の効果が弱まったり増強したりすることがあるので注意しましょう。
Q9.
眠くなる成分が入っている薬を飲んだらどれぐらいの期間運転などを避けた方がいいの?
A9.
薬の効果が出ている間は運転を控えましょう
飲むと眠くなる成分は、かぜ薬や鎮静薬、花粉症の薬などに入っており、添付文書に運転や高所作業などを避けるよう注意書きがあます。これを守らないと思わぬ事故を起こす可能性があります。こうした薬を飲んだ時には、服用後どれくらい経てば車の運転などをしてもよいかが気になるところでしょう。望月先生は、「かぜや花粉症の症状が抑えられているということは、薬の効果が出ているということになり、眠くなる副作用も出る可能性があるということです。これらの薬での治療中は車の運転などは控えましょう。最近では眠くならないタイプの花粉症の薬も出ていますので薬剤師に相談してください。」と注意を促します。
Q10.
市販薬を使い続けるか、医療機関に行くべきかはどう判断すればいい?
A10.
1~2日使っても効果が感じられない場合は医療機関を受診
「一般的には市販薬を1~2日飲んでも効果が感じられない、症状が重くなるといった場合には、重篤な病気が隠れている可能性もあります。また、発熱の場合は37~38℃の間なら市販薬を試してみるとよいですが、38.5℃を超える場合はインフルエンザなどの感染症の可能性もあり得ます。解熱鎮痛薬を飲んで熱が下がってもまた上がってくるという状態を2~3日繰り返すようであれば受診が必要です。市販薬だけに頼りすぎて、医師の診断を受ける機会を失わないため、すぐに医療機関に連絡し、必要に応じて受診しましょう」(望月先生)。
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