指の付け根や手首などに痛みを感じたり、曲げ伸ばしに不便を感じたりしても、症状が軽ければしばらくは様子を見たいと考える人も多いでしょう。市販薬(OTC医薬品)を使ってセルフケアをする場合のポイント、市販薬の成分の違いや特徴、また病院に行ったほうがよい場合は何科を受診すればよいのかなどについて紹介します。
腱鞘炎は整形外科で診療しています。特に手外科が専門です。
治療は、湿布などの外用鎮痛消炎薬を使ったり、ギプスで固定したりして、原因となった使い過ぎを防ぎ安静を保つ保存療法が中心です。炎症を抑えるステロイド注射を行うこともあります。保存療法を数ヶ月続けても改善しなかったり、再発したりする場合は、日帰りでできる手術もあります。
下記に当てはまる場合は受診しましょう。
持病がなく、痛みや腫れが強くない場合は、セルフケアで様子をみてみましょう。
腱鞘に炎症が起こると、プラジキニンやヒスタミンなどの化学物質が出ます。また、プロスタグランジンという物質も発生させて、痛みを増強します。
湿布などの外用鎮痛消炎薬に含まれる「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」という種類の成分は、プロスタグランジンの発生を抑えて、痛みや熱をやわらげる働きがあります。NSAIDsは内服薬もありますが、外用薬は、皮膚から炎症を起こしている部分に直接浸透して効果を発揮します。
薬局の店頭でどこがどのように痛むのかを伝え、痛む部位や症状に合わせたくすりを選びましょう。外用鎮痛消炎薬には、湿布剤やテープ剤といった貼るタイプのほか、ローション剤・クリーム剤やゲル剤といった塗タイプがあります。
分類 | 主な成分 | 用途 |
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鎮痛消炎成分 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) |
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炎症を抑え、痛みをやわらげる |
冷感成分 |
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患部を冷やす |
温感成分 |
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患部を温める |
抗炎症成分 |
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炎症を抑える |
生薬成分 |
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殺菌作用がある 抗炎症作用がある |
血行改善成分 |
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血行を改善する |
以下の人は、注意が必要です。
腱鞘炎になっているのを放置して、それまでと同様に手や指を使ってしまうと、腫れた腱鞘と腱に摩擦が起こり、さらに腱鞘が厚くなったり腱の表面の傷つきが悪化したりして、症状が強くなってしまいます。治すためには、ただ放置するのではなく、できるだけ動かさないようにし、それまでと同じように手や指を酷使することを避けることが大切です。
もし2週間以上痛みが続いたり、痛みや腫れが強かったりする場合は、整形外科を受診しましょう。
腱鞘炎対策をサポート
外用鎮痛消炎剤