のどの痛みの対策

のどの痛みが起こったらどうする?

軽いのどの痛みなどで「そのうち治るだろう」と対処せずに放っておくと、炎症がひろがって、つばを飲み込むのもつらくなるほど悪化してしまうことがあります。早めのセルフケアを心掛けましょう。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合~膿(うみ)がある、高熱を伴うとき~

のどの痛みが続き、ほかにも気になる症状があった場合は、急性咽頭炎やインフルエンザなど感染症の可能性もあるため、早めに内科や耳鼻咽喉科などで診察を受けましょう。
受診する目安としては、次の症状が挙げられます。

  • 膿(うみ)があるとき
  • 声がかれたまま改善しないとき
  • 飲み込むときにガマンできないほどの強い痛みがあるとき
  • のどに違和感や異物感があるとき
  • 痰(たん)に血が混じるとき
  • 呼吸が苦しいとき
  • 39度を超える発熱を伴うとき
  • 食べ物や飲み物を飲み込めないとき
  • 食べ物や飲み物でむせるとき
  • OTC医薬品(市販薬)等のセルフケアでも改善しないとき

セルフケアできる場合

まずは乾燥と刺激を避けましょう
のどが痛いときには、次のような行動を心掛けましょう。
  • 飲酒や喫煙を控える
  • 辛い食べ物、熱すぎるもの、冷たすぎるものなどの刺激物を控える
  • 大声を出すなど、さらに痛みが増す行為を避ける
  • のどが乾燥しないように、マスクを着用したり、加湿器などで室内を加湿する
OTC薬(市販薬)で早めの対策(セルフメディケーション)を
のどの痛みのための市販薬には、「総合かぜ薬」や「口腔・咽喉用薬(後で詳しく説明します)」といった内服薬のほか、「鎮咳去たん薬」「口腔内消炎薬」「含嗽薬(うがい薬)」など、幅広いアプローチから対処する薬があります。たとえば、「口腔内消炎薬」なら痛い部分に直接スプレーするのどスプレー、「鎮咳去たん薬」なら口の中で舐めて溶かすトローチやのど飴などと、形状も様々ですので、全体の症状や状況に応じて使い分けましょう。
  • なお「のど飴」は、同じ「のど飴」という名前がついていても、医薬品、医薬部外品、食品の異なる3種類があります。表示をよく見て、症状の程度によって使い分けましょう。

くすりの選び方と注意点

のどの痛みに使われる薬の種類と主な成分
種類 主な成分 のどへの作用・特徴
内服薬
抗炎症成分 トラネキサム酸 炎症の原因「プラスミン」を抑えてのどの痛み・はれを鎮める
解熱鎮痛成分 ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェン のどの痛み、頭痛などの痛みをやわらげ、熱を下げる
生薬成分 カンゾウエキス 炎症やアレルギー作用を抑える
ビタミン成分 ビタミンB2・B6 皮膚や粘膜の機能を正常に働かせる
のどスプレー・うがい薬
抗炎症成分 アズレンスルホン酸ナトリウム 粘膜に直接作用し炎症を鎮め、のどの痛み・はれなどの症状を改善する
消毒・殺菌成分 ポビドンヨード(ヨウ素)、クロルヘキシジン塩酸塩 のどを消毒し細菌による炎症を抑える
のど飴・トローチ
消毒・殺菌成分 セチルピリジニウム塩化物水和物 口腔内や喉を消毒・殺菌する

軽い痛みなら、のどを潤すことで症状が軽減されることがあります。もともとのどが弱い人や、すぐにのどが痛くなるという人は、のどを潤すとともに、炎症を抑えて粘膜を保護するために、トローチやのど飴などを利用してもよいでしょう。

内服で「のどの痛み」に効く市販薬も

口腔・咽喉用薬(こうくう・いんこうようやく)も活用しよう
のどは痛いけれど、熱など他の風邪症状がない場合、総合感冒薬とは別に、のどの炎症を抑えることを目的にした、「口腔・咽喉用薬」という市販薬があります。(第一三共ヘルスケアの製品では「ペラックT錠」等)。
名前は難しいですが、のどのはれ、のどの痛みや口内炎といったのどのトラブルに対処する薬です。抗ヒスタミン成分が入ってない眠くなりにくいタイプや、お子様から飲めるタイプもあるので、HPや店頭で用法・用量を確認して自分に合ったものを選びましょう。
痛みをなくすのではなく、炎症をおさえる作用機序
ウイルスに感染して炎症が起こる時、体内では「プラスミン」という化学物質が出てきます。
「痛い」から痛み止めを飲むわけではなく、「痛みの原因となる、炎症の原因を鎮める」という目的で、「口腔・咽喉用薬」には“抗炎症成分”が配合されています。
抗炎症成分の働き方(図解)

のどの痛みの症状と原因

(コラム)花粉症でのどもダメージを受けます

花粉症といえば、目のかゆみやくしゃみ、鼻水・鼻づまりの症状ばかりがクローズアップされがちですが、実はのどに痛みや違和感を生じる人も珍しくありません。
それは、鼻づまりによって口呼吸になりがちなため、乾燥した空気がのどを直撃し、粘膜を傷つけてしまうからです。また、鼻とのどはつながっているため、鼻で吸収されなかった花粉の抗原成分が鼻からのどへと流れてしまい、のどにかゆみを生じることもあります。花粉の飛散時期の、終盤になって症状が出てくる人が多い傾向にあるため、花粉シーズンの終わりごろにも注意が必要です。
また、原因となる鼻症状を抑える薬を使えば、のどの痛みの緩和にもつながりますので、早めに対処しましょう。

(コラム)逆流性食道炎が、のどの痛みの原因になることも

ここ最近、食道の病気である「逆流性食道炎」にかかる人が増えています。逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流してくる病気で、主に胃酸の逆流によって食道の粘膜が障害を受けて炎症を起こします。
主な症状としては、胸やけ、胃の内容物が逆流する感じ、のどの奥にすっぱいものがこみ上げてくる不快感をおぼえる人も少なくありません。このような典型的な症状のほか、のどの痛みを感じる人もいます。
気になる症状が改善しない場合には、早めに消化器内科などを受診しましょう。食べ過ぎ、早食い、脂っこいものを控える、といった毎日の食生活を見直し、食後すぐに横になったり、ベルトをきつく締め過ぎないといった日常生活での工夫で症状の改善を試みてもよいでしょう。

のどの痛み対策をサポート

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口腔・咽喉薬

鎮咳去たん薬

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