神経痛の多くは背景に原因となる疾患が隠れています。医療機関で原因疾患を明らかにし、適切な治療を受けて症状を改善していきましょう。痛みが軽く、受診するまで時間がかかるときは「鎮痛剤」と呼ばれるくすりで、一時的に痛みを抑える方法もあります。
神経痛とは病名ではなく症状なので、その多くは原因となっている病気があります。また、神経痛に似た症状がみられる、早急に治療を要する病気もあります。神経痛を繰り返す場合や痛みが治まらない場合は、早めに専門医を受診し、原因を確定して適切な治療を受けましょう。特に、心臓・肺・胃・肝臓・膵臓(すいぞう)といった臓器になんらかの疾患がある場合は肋間に痛みが生じることがあり、脳に問題がある場合には三叉神経痛に似た症状がみられます。顔面や肋間に痛みが続く場合には、早急に受診したいものですね。
なお、神経痛を診てくれる科は、整形外科、内科、脳神経外科、神経内科、ペインクリニックなどがあります。受付などで相談し、受診科を案内してもらいましょう。
なお、一般的に神経痛のような痛みがあるとき、末梢神経に炎症や腫瘍、血管による圧迫の有無などがみられるかどうかを調べるため、CTやMRIなどの画像診断が必要な場合が多々あります。どの科を受診すべきかわからないときは、CTやMRIの撮影が可能な病院を受診しましょう。
どのタイプの神経痛も、動くと痛みが増します。特に、長い距離を歩いたり、重いものを持ったりすると症状が強くなるので、無理をせず、痛みがひどい場合には安静にして楽な姿勢をとりましょう。
軽い神経痛、または専門医へ行くまでに時間がかかる場合などは、OTC医薬品を利用する方法もあります。その場合には一般に「鎮痛剤」と呼ばれる下記の成分の入った薬を選びましょう。
種類 | 目的・作用 | 主な成分 |
---|---|---|
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) | 痛みを鎮める 痛み・熱の原因物質を抑える |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 ・イブプロフェン ・アスピリン(アセチルサリチル酸) |
非ピリン系解熱・鎮痛剤 | 皮膚血管を広げて熱を放散させ、痛みの感受性を低下させる(NSAIDsに比べて効果はゆるやか) | ・アセトアミノフェン |
神経痛はいったん回復しても、生活習慣が乱れていると再発を繰り返します。原因疾患が治った後も、「予防」で紹介したような正しい姿勢を保ち、適度な運動を心がけるなど、再発防止に努めましょう。
季節の変わり目に、からだの不調を訴える人は少なくありません。これは神経痛も同じで、最大の原因は気圧と気温の変化です。
気圧が変化を繰り返すとからだにかかる圧力も一定せず、血管が膨張・収縮を繰り返して神経に刺激を与えやすくなります。また、激しい気圧の変化が自律神経の働きの低下をもたらし、さまざまなからだのバランスがとりにくくなることも、神経痛の原因の一つと考えられています。
さらに、冷えは痛みに対する感受性を高めるため、秋口から冬にかけて、坐骨神経痛をはじめすべての神経痛が起こりやすくなるといわれています。特に高齢になってくると、気温差・気圧差への適応能力が低下するため、季節の変わり目は神経痛対策にも気を配りたいものですね。
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