喘息(ぜんそく)の対策

喘息(ぜんそく)になったらどうする?

喘息(ぜんそく)は呼吸困難によって死亡することもある病気です。基本的には吸入ステロイド薬を用いた医師による治療を行います。症状があらわれたら、楽な姿勢でからだを休めましょう。日頃から自己管理を行い、喘息(ぜんそく)の発作をコントロールをしていくことも大切です。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

喘息(ぜんそく)は正しく診断し、治療を行うことが重要な病気です。まだ診断を受けたことがない人は、気になる症状を放置せず、医師の判断を仰いで十分な管理を行うことが大切です。下記のような症状があれば、必ず専門医に相談しましょう。

  • 発作性の激しい咳がくり返し出る
  • 息苦しい
  • 呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューと音がする

⇒ 喘息(ぜんそく)の診断を受けて治療中の人は、かかりつけ医の指示に従い処方されたくすりを服用して様子をみます。症状がおさまらず、横になると息苦しいほどであれば、すぐに病院を受診しましょう

セルフケアできる場合

今は喘息(ぜんそく)の症状は出ていないが、のどがイガイガするなどの違和感があったり、刺激に過敏になっていると感じる程度であれば、セルフケアで様子をみることも可能です。

自宅でできるセルフケアとは

  • 医師に指示されたくすりがある場合は自己判断でやめてはいけません。
  • ピークフローの測定で自分の呼吸機能の状態を把握して自己管理しましょう。
  • まめに水分をとり、痰を出すようにしましょう。
  • のどの炎症を鎮めるドロップなどをなめるのもよいでしょう。
  • 症状があるときは、楽な姿勢をとり、からだを休めるようにしましょう。
  • ピークフローとは、息の流れる速度のこと。喘息(ぜんそく)になると毎日測定して記録するよう指導されます。ピークフローメーターという機械で測定します。

病院で処方される治療薬

薬物療法としては、発作が起きないように予防する長期管理薬として、吸入ステロイド薬が第一選択薬です。吸入ステロイド薬と併用する長期管理薬としては、長時間作用型吸入β2刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放薬などがあります。長期管理薬の目的は、長期の使用で気道の炎症を抑えることであり、効果が出るまでには時間がかかることがあります。
発作が起こったときにはすみやかに気管を拡げ、症状を和らげる必要があります。短時間作用型吸入β刺激薬などの即効性のある気管支拡張薬を使用します。

喘息(ぜんそく)の治療薬

くすりの選び方と注意点

鎮咳去痰薬を購入する際に、喘息(ぜんそく)を疑う症状がある場合は、専門家(薬剤師など)に相談し、気管支拡張作用のあるものを選ぶようにします。
OTC医薬品は一時的に症状を和らげるために用い、連続して使用しないようにしましょう。症状が続くようならすみやかに病院を受診します。

市販のOTC医薬品を選ぶときの注意点

  • アスピリンなどの解熱鎮痛薬が喘息(ぜんそく)を誘発することがあるので、喘息のある人は注意が必要です。
  • 小児(特に5歳未満)、妊婦、授乳中の女性、アレルギー持病のある人など、避けるべき成分があるので専門家(薬剤師など)に相談します。
  • すでに服用しているくすりがある人は専門家(薬剤師など)に相談し、成分が重複しないようにします。
  • ジヒドロコデインリン酸塩などの鎮咳成分(咳中枢に作用して咳を鎮める成分)で咳を抑えることは、喘息(ぜんそく)の咳に対しては避けなければいけません。一般の咳止め薬に一緒に含まれていることがあるので、注意する必要があります。

OTC医薬品の有効成分

気管支拡張作用のある成分は、狭くなった気道を拡げ、呼吸を楽にします。

成分 作用
アミノフィリン
テオフィリン
気管支のけいれん、気管支粘膜の腫脹を抑え、気管支を拡張して喘息発作時の咳を鎮める
メトキシフェナミン塩酸塩
メチルエフェドリン塩酸塩
トリメトキノール塩酸塩
気管支のけいれんを抑え、気管支を拡げて呼吸を楽にして咳を鎮める
マオウ 生薬。鎮咳や抗炎症、のどの粘液分泌促進、繊毛運動促進などの作用があり、咳を抑え、痰を切れやすくする

(コラム)アルコールや解熱鎮痛薬が喘息(ぜんそく)を誘発する?

アルコールによって喘息発作が誘発されることがあるのをご存知でしょうか。通院中の喘息患者の約半数に、飲酒後の喘息発作の経験があるというアンケート結果も報告されています。この「アルコール誘発喘息」は、実は日本人を含む東洋人に特徴的な現象で、アルコール代謝に関係があるとされています。その犯人と目されるのは、アルコールの代謝で生成されるアセトアルデヒドです。アセトアルデヒドを代謝分解する2種類の酵素のうち日本人の約半数が片方を欠いているか、活性が不完全なため、体内に残ったアセトアルデヒドの毒性がさまざまな悪さをしてしまうのです。喘息発作の誘発のほか、欧米人に比べ日本人に悪酔いや二日酔いが多いのもこれが理由のひとつとされています。

また、アスピリンなど一般的に使用される解熱鎮痛薬も重い喘息発作を引き起こすことが知られています。「アスピリン喘息」は喘息患者の一割に存在します。そのメカニズムは、解熱鎮痛薬がシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害することで、喘息(ぜんそく)の発症を助長する物質であるロイコトリエンを過剰に産生させるためという説が有力です。解熱鎮痛薬の中でもアセトアミノフェンはシクロオキシゲナーゼを阻害する作用が弱いため、喘息誘発作用も強くないとされています。

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