日常的にできる傷や、化膿も軽度であればセルフケアで対応できます。傷口の清浄や保護する場合は殺菌消毒成分で、化膿している場合は抗生物質が配合された市販薬(OTC医薬品)で、すぐに応急処置を行いましょう。
次のような場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
受診する際の診療科は、形成外科または外科です。子どもは「小児外科」も受診可能です。
日常的な傷や、化膿がひどくない場合はセルフケアできます。殺菌消毒薬、洗浄・止血・保護などの応急処置と皮膚用薬を上手く組み合わせて対処しましょう。
湿潤療法とは、消毒薬などの薬を使わずに、洗浄後に患部をフィルム材などで覆って、傷口から出る体液(滲出液)の力で治していく治療法です。現在、専用の絆創膏などを使ってセルフケアでも行われるようになっています。
ただし、絆創膏で覆う前の傷の洗浄が十分でなかったり、赤みや腫れの強い傷などでは湿潤療法が最適でないケースもあります。消毒薬や軟膏による処置が必要な傷もあるので、湿潤療法を行う場合は、傷の状態によって専門家の判断を確認したうえで、最適な方法で行うことが大切です。
傷の周囲がじゅくじゅくしている、腫れる、赤くなるなど、少しでも化膿の兆候がみられたときには、抗生物質成分の入った市販薬(OTC医薬品)の使用をおすすめします。抗生物質は、飲み薬としてのイメージが先行していますが、傷や湿疹を含めた皮膚の治療では、塗り薬としても活躍しています。
そもそも抗生物質は菌の増殖に必要な代謝経路に作用し、細菌の発育を抑制するはたらきがあります。そのため、傷に細菌が入り込んで化膿した場合には、細菌の増殖を止める役割を果たしてくれるのです。
分類 | はたらき | 成分の例 |
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殺菌消毒成分 | 細菌の増殖を抑える |
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抗生物質成分 | 細菌の増殖(発育)を抑える |
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組織修復成分 | ダメージを受けた皮膚を修復する |
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局所止血成分 | 血管を収縮させ止血させる |
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特にさびたカミソリや古い釘で傷を負ったとき、土が傷口に入り込んだときは、破傷風の危険性があるため、すぐさま洗い流し、受診しましょう。破傷風とは、土壌中に広く存在する破傷風菌が傷口より体内に侵入し、3日~3週間の潜伏期間のあと、口や手足のしびれが起こり、やがて全身がこわばり、治療が遅れると死亡することもある感染症です。日本では1968年より破傷風ワクチンの予防接種が子どもに対して行われていますが、現在でも年間30~50人の患者数がみられ、特に高齢者には多い傾向にあります。破傷風菌は世界中の土のなかに存在するため、前回の接種から10年以上経過している人、渡航予定のある人は、医師に相談のうえ、追加接種するとよいでしょう。
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