虫さされの対策

虫さされになったらどうする?

虫に刺されたら、刺された部位をむやみに触らず、流水で洗うなどして清潔にして、市販薬(OTC医薬品)でかゆみや炎症を抑えましょう。特にお子様の場合、かゆくて患部をかきこわすことで、「とびひ」になる場合もあるのでご注意ください。かきこわしを防止するには、パッチタイプもおすすめです。

医療機関での受診をおすすめする場合

医療機関での受診をおすすめする場合

次のような場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • ハチ、毒ガ(ケムシ)など毒性の強い虫に刺されたとき
  • 刺されたあとにじんましんが出たり、気分が悪くなったりしたとき(ハチに刺されたときにはショック症状を起こすことも)
  • 水ぶくれ(水疱)、腫れ、ほてり、痛みが強いとき
  • かきこわし、ただれが強いとき
  • 刺された人がアレルギー体質のとき
  • 市販薬(OTC医薬品)で5~6日セルフケアしてもよくならないとき

セルフケアのポイント

日常的な虫さされは、セルフケアで対処できます。かゆみ止めやステロイド成分などが配合された市販薬(OTC医薬品)でケアしましょう。

セルフケアのコツ
患部や指を水で洗い清潔にしたあと、かゆみや腫れを抑える市販薬の塗り薬で治療しましょう。患部を冷やすとかゆみがある程度抑えられることもあります。
また、かきこわしによる二次感染や悪化を防ぐため、できるだけかかないように我慢しましょう。それでも子どもの場合はついついかいてしまいがちなので、爪を短く丸みがつくように切っておき、虫さされ用のパッチを貼るなどして防ぎましょう。

セルフケアのコツ

くすりの選び方と注意点

基本的に、かゆみを鎮めるための抗ヒスタミン薬と、炎症を抑えるステロイド外用薬を使用します。大きく、以下のように使い分けます。

かゆみだけの場合
抗ヒスタミン成分、鎮痒成分を配合したものを選びましょう。
かゆみが強く、赤みや腫れもある場合
消炎効果の高いステロイド成分を配合したものを選びましょう。

子どもがかきこわしてしまったときは
二次感染対策として、殺菌成分も配合されたものをおすすめします。

なお、ステロイド成分が含まれている外用薬は、5~6日使用しても症状がよくならない場合は中止しましょう。目、口唇などの粘膜の部分や目の周囲は避け、顔面は広範囲に使用せず1週間を目安に、その他の部位は2週間を目安に使用してください。

虫さされのくすりに含まれる成分

分類 はたらき 成分の例
ステロイド成分 炎症を鎮める、毛細血管を引き締めて皮膚の赤みやかゆみをとる プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステル
抗ヒスタミン成分 かゆみを引き起こすヒスタミンのはたらきをやわらげかゆみを鎮める ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩
鎮痒成分(かゆみ止め) かゆみを抑える クロタミトン
局所麻酔成分 知覚神経に作用して、患部のかゆみを抑える ジブカイン塩酸塩、リドカイン
抗炎症成分 かゆみの原因となる炎症を抑える サリチル酸メチル、グリチルレチン酸
殺菌成分 皮膚のかきこわしによる細菌の増殖を抑える イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン塩酸塩
清涼化成分 清涼感を与え、かゆみを抑える l-メントール、dl-カンフル

(コラム)アナフィラキシー・ショック――二度目のハチさされは危険大!

ハチに刺された経験のある人は、アナフィラキシー・ショックを起こすおそれがあるので、特に用心が必要です。ハチに一度刺されると、人体はハチ毒に対して抗体を作ります。ところが二度目になると、既に作られている体内の抗体がハチ毒に対して過剰に免疫反応を起こすのです。刺されて15分以内の短時間のうちに、刺された部位以外の発赤、めまい、吐き気、血圧低下、呼吸困難がみられる場合には、アナフィラキシー・ショックを起こしている場合が多く、生命にかかわることもあります。救急救命処置が必要なので、すぐに医療機関へ行きましょう。
ハチがいるとわかっている場所に出かけるときには、くれぐれも対策を万全にしましょう。

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