関節痛 (変形性関節症)の対策

関節痛 (変形性関節症)になったらどうする?

激しい痛みがあるときは、関節リウマチや感染性関節炎など他の疾患の可能性があるため、専門医での治療を検討しましょう。痛みが一時的で強くない場合は、関節に負担をかけることは避け、セルフケアで対応することも可能です。原因や症状に応じてサポーターやシップ剤、内服薬などを用いると効果的です。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

痛みが激しく高熱がある場合
インフルエンザ、関節リウマチ、感染性関節炎などが考えられます。それぞれの病気や原因に応じた治療が必要です。
変形性関節症が慢性化した場合
じっとしていても痛む、歩けば歩くほど痛みが増すなど、生活に支障をきたす症状の場合は、早めに受診しましょう。

セルフケアできる場合

一時的かつ激しい痛みではない場合は、セルフケアで様子をみることも可能です。動き始めに少し痛む程度で、関節のまわりの腱や筋が張って痛みが起こっていると考えられる場合は、温めたりマッサージをすることでも和らぎます。

関節の働きをサポートするくすり

関節軟骨にはコンドロイチンやヒアルロン酸といった成分が含まれていますが、こうした成分が加齢によって減ることも、関節痛の要因のひとつといわれています。
軟骨の成分であるコンドロイチンを補うくすり「コンドロイチン硫酸ナトリウム」は、軟骨の弾力性や保水性を高めて関節を健康に保ちます。
また、食事で摂取した栄養を細胞に必要なエネルギーに変えるビタミンB1、血行促進や細胞の老化を防止するビタミンE、傷ついた末梢神経を修復する働きがあるビタミンB12なども関節痛を和らげるのに役立ちます。
熱を持って腫れている場合は、消炎鎮痛成分が含まれているシップ剤や塗布剤などで炎症を抑えましょう。

関節の動きを助けるサポーター

関節を冷やしたり、無理な負担をかけたりすると、痛みを引き起こしたり悪化したりすることがあります。そこで利用したいのがサポーターです。保温効果のあるものや関節を支える働きのあるものなど、さまざまな種類のものがあります。
市販品を選ぶ際には、ゆるすぎず締めつけすぎない、自分の関節に合うサイズを選びましょう。

くすりの選び方と注意点

関節痛を緩和するOTC医薬品にもさまざまな種類があります。症状に合わせて上手に活用しましょう。

内服薬

関節の働きを、からだの中からサポートする飲み薬です。

主な成分 用途
コンドロイチン硫酸ナトリウム 軟骨の弾力性や保水性を高める
ビタミンB1 筋肉疲労を緩和
ビタミンB12 末梢神経の傷を修復
ビタミンE 血行不良を改善

外用消炎鎮痛薬(シップ剤)

熱を持って腫れているときは冷感タイプを、関節まわりの筋肉が張って痛いときは温感タイプを選ぶとよいでしょう。

分類 主な成分 用途
消炎鎮痛成分 ロキソプロフェン
サリチル酸グリコール
インドメタシン
ケトプロフェン
フェルビナク
ジクロフェナクナトリウム など
炎症による痛みをやわらげる
冷感成分 メントール
dl-カンフル など
患部を冷やす
温感成分 トウガラシエキス(カプサイシン)
ノニル酸ワニリルアミド など
患部を温める
抗炎症成分 グリチルリチン酸 など 炎症を抑える
生薬成分 オウバク
サンシシ など
殺菌作用がある
抗炎症作用がある

その他関節痛のセルフケア

関節に痛みを感じはじめると、なるべく動かさないようにしてしまいがちですが、これでは逆効果です。まわりの腱や筋が張って痛んでいるときは、お風呂などで温めてほぐし、動かした方が、血行もよくなり痛みが和らぎます。

膝の体操 1) イスに座って床に広げたタオルを手繰り寄せる

膝の体操1

膝の体操 2) イスに座って片方の足を伸ばし、ゆっくり上げ下げする

膝の体操2

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