手足の冷え(冷え症)の対策

手足の冷え(冷え症)になったらどうする?

手足の冷え(冷え性)の改善には、からだを温める食べ物を摂る、適度な運動をすることなどが大切です。とくに血液の流れを促進する効果などが期待できる「ビタミンE」を摂取することもおすすめです。手足の冷えの裏には病気が潜んでいることも。「たかが冷え」と放置せず、なかなか冷えが取れないなど症状が続くようであれば受診するなどきちんと対策していきましょう。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

次のような症状がみられる場合は、ほかの病気が隠れている可能性があります。専門家に相談しましょう。

  • 手足だけではなく、全身がむくんでいるとき。
  • はっきりした原因が特定できないのに、冷えがひどい、極端に冷えていると感じるとき。
  • 夏に空調が効いている、効いていないにかかわらず冷えがひどく、全身の重だるさが回復しないとき。
  • 氷や冷たい水などに触れた後、冷えが治らず、血の気がなくなってきたとき。

セルフケアできる場合

上記のような症状が特になければ、セルフケアで改善を図りましょう。

血行をよくするビタミンのはたらき

ビタミンEには、末端の血行障害を改善するはたらきがあります。からだの隅々にまで血液を行き渡らせる効果にすぐれているため、冷えで悩む人にとって、必須ともいえるビタミンです。また、ビタミンEにはホルモン分泌を調整する作用もあるので、自律神経の乱れを改善するのにも、一役買います。

ビタミンEのはたらき

  1. ビタミンEは、赤血球が柔軟に変形するのを助け、細い血管の中を通りやすくして、血液の流れをよくします。
  2. 血小板が血管の壁にはりついたり凝集したりすると、血行が悪くなります。ビタミンEにはそれを抑え、血管内で血が固まってしまうのを防ぐ効果(抗血栓効果)があります。
  3. LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防止し、血管の機能を維持します。

くすりの選び方と注意点

手足の冷え(冷え症)を改善するOTC医薬品には、さまざまな種類があります。血行を改善してくれるビタミンEなどを配合した飲み薬などがありますので、症状にあった成分が配合されているものを選びましょう。

分類 主な成分 作用、特徴
ビタミン類 ビタミンE トコフェロールとも呼ばれる。抗酸化作用があり、体内諸器官の老化を防止し、抗血栓、コレステロール低下、血行改善などの作用もある。
ビタミンEはその抽出・製造法によって天然、天然型、合成の3種類に分かれている。それぞれの体内での生理活性は天然が最も高く、天然型、合成の順に低くなっていく。
ビタミンC アスコルビン酸とも呼ばれる。ビタミンEの抗酸化作用を高める。

また、漢方薬としては、加味逍遙散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、その他、生薬としては人参、桂枝、地黄などが冷えによる体質改善を図る効果が高いといわれています。

その他冷え症のセルフケア

予防するには?」のページで紹介した方法が、そのままセルフケアにもつながります。
からだを冷やさない生活習慣に改善し、食事や運動を心がけましょう。

(コラム)男性の冷え症が増加傾向に!

冷え症は女性特有のもの、と思われがちですが、最近では男性の冷え症も増加しているので、注意が必要です。
冷暖房の効きすぎた室内で長時間仕事をしていると、自律神経がうまく機能しなくなります。
ストレスや生活習慣の乱れも自律神経の機能を低下させます。男性はもともと女性より筋肉の量は多いのですが、運動不足で筋肉が減少している人も少なくありません。
冷え症がすすんだ場合、ED(勃起不全)なども誘引しますので、女性同様、早めの対処を心がけたいものですね。

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