シニアが薬を飲む上で知っておくべきこと

シニアになったら、体の変化に合わせて薬との付き合い方も変えていく必要があります。シニアは何に注意して市販薬を選び、どのように服用すればよいのでしょうか。

市販薬の購入時は薬剤師に相談を――持病があるときには特に注意を

市販薬を購入するときは、薬剤師に相談の上で選ぶとよいでしょう。とりわけ、持病があって処方薬などを服用している最中に市販薬を購入するときは、飲み合わせなどの問題があるため、使用中のすべての薬を必ず薬剤師に伝えましょう。「お薬手帳」を持参するとよいでしょう。

薬剤師に相談

添付文書・使用上の注意を改めて読み直しましょう

市販の内服薬では多くの場合、説明書(添付文書)に、使用前に医師または薬剤師に相談すべき対象として「医師の治療を受けている人」や「妊婦」「薬によるアレルギー症状を起こしたことのある人」などとともに、「高齢者」と記載されています。長年服用している市販薬であっても、それまで出なかった副作用が現れるおそれがありますので、「ずっと使っているものだから大丈夫」と楽観視せず、改めて添付文書をじっくりと読み直し、注意すべきことなどを確認しましょう。
添付文書はメーカーのホームページに掲載されていますので、製品を購入する前に確認することができます。ホームページでは「使用上の注意の解説」(使用上の注意が掲載されている理由や補足説明)も確認できますので、参考にしてください。

添付文書の読み直し

「使用上の注意の解説」の例

「使用上の注意の解説」の例1

「使用上の注意の解説」の例2

(図は使用上の注意解説の掲載状況(参考))
添付文書・使用上の注意解説はこちらのページから

服用後の体調変化に気をつけましょう

シニアになると、添付文書に書かれている用法・用量を守って服用しても、薬が効きすぎてしまったり、副作用が出やすくなったりする場合があります。服用後は様子をみて、気になる症状が現れないかどうか、体調変化に気を配ることが大切です。めまいやふらつき、皮膚がかゆくなる、頭痛や眠気を生じるなどの症状や何らかの違和感が現れたら、その場で詳しい症状をメモしておき、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。

誤飲予防にも役立つ"お薬カレンダー"などで管理を

飲み忘れ、飲み間違いを防ぐためには、お薬カレンダー、薬ケースなどの服用管理アイテムを活用するとよいでしょう。朝、昼、夕、寝る前などに小分けができ、管理がしやすくなります。

服用管理ツールはスマートフォンアプリ等でも

周囲の人にも協力してもらいましょう

75歳以上の後期高齢者になると、自分で薬を管理することが難しい場合も出てきます。その場合は、家族や周囲の人が薬の管理に協力していきましょう。家族や周囲の人は、服用後の様子を定期的にチェックし、薬の注意点を医師や薬剤師に確認したり使用時にはそばにいるようにするのもよいでしょう。遠隔地に住んでいて普段はチェックできない場合でも、ご本人にどんな持病がありどんな薬を服用しているのか(できれば薬剤名まで)、かかりつけの病院がどこにあるかなどは把握しておくことをおすすめします。

本文監修:国立長寿医療研究センター 老年内科医長 佐竹 昭介 先生

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