肌悩みで常に上位に位置するしみ。
なかでも、それまで知られていなかった肝斑の改善薬を開発された背景を教えてください。
「トランシーノ」が登場するまで、しみを気にしていても種類があることを知っている人は多くなかったと思います。
全く新しい肝斑改善薬として誕生させた、その想いを教えてください。
開発担当Mさん
何から始めたかというと、専門の先生方を訪ね歩くことでした。最初にお会いしたのが、トラネキサム酸に肝斑の改善効果があることを初めて偶然発見し、発表された二条貞子先生でした。その時、「トラネキサム酸は確かに肝斑に効きます」という言葉をいただき、この方向で進めていっていいんだと意を強くしたものです。その後も新潟、大阪、岐阜、徳島、福岡と情報を求めて全国を駆け回りました。どの先生も、「肝斑に効く」という評価については一致していました。
開発担当Wさん
スタート時から「これはいける」とは思っていました。確信を持っていたというより「やるんだ」という前向きな気持ちは常にありました。
新しい医薬品として世に登場させるには、どのようなハードルがあったのでしょうか?
開発担当Wさん
臨床試験が軌道に乗り、良好な結果を示す意見も集まり、医薬品として承認を得る必要がありました。最終的な承認を得るためには膨大な資料が必要になります。安全性や効果、製剤の安定性など多岐にわたります。そしてヒトを対象にした臨床試験のデータなども必要です。
開発担当Mさん
最終的に承認を得ることができたのは、治りにくいとされる肝斑に高い改善効果を持つ、まさに力のある薬だったからだと思っています。また、OTC医薬品としての承認を得るには、安全性についても非常に厳しい審査がありました。トラネキサム酸はもともとアミノ酸の一種で大きな副作用もなく、臨床試験の結果のほかにも、いろいろな文献や資料を調べてデータを示した結果、最終的なOKが取れたのだと思います。