COLUMN

皮膚科の先生に聞く

医師監修コラム 気になるニキビのあるある
ウソほんと!?

ニキビの時のメイクってどうしたらいいの?
からだにできるニキビは原因が違うって本当?
など、疑問に思っている人が多いことを
○×△でお答えします。

一刻も早く治したい…。
ニキビを潰すと治りが早いってホント?

自己流で潰すのはNG。
ニキビを悪化させて逆効果。

自己流でニキビを潰すと、毛穴の中が傷ついて雑菌が入り、ニキビがますます悪化する原因となります。潰してしまうと、一見、ニキビが小さくなったように見えるかもしれませんが、ニキビ痕(跡)が残りやすくなり、かえって悩みを長引かせることに。
早く治すには、適切なケアをすることに加えて、ニキビに刺激を与えないようにすることが大切です。頬杖をついたり顔を下にして寝たりすることは避け、できるだけニキビに刺激を与えないようにしましょう。
髪がニキビに触れないよう、ピンで止めるなどヘアスタイルにも工夫を。また、シャンプーやトリートメントの洗い残しや、ヘアワックスが原因で悪化することもあります。
皮膚に直接触れる枕やシーツなどの寝具はこまめに取り換え、清潔な環境を心がけてください。

チョコレートや脂っこい
スナック菓子を食べすぎると
ニキビができやすくなる?

食べ過ぎるとニキビができると
証明された食品は
今のところありません。
ただ、偏食はニキビの原因に。

ニキビとの因果関係が証明されている食物は今のところありません。しかし、チョコレートやスナック菓子、香辛料の摂りすぎといった偏った食事は、ニキビを引き起こす原因となります。
栄養バランスのとれた規則正しい食生活を心がけ、特に、脂質の代謝を促し、肌の調子を整える「ビタミンB群」「ビタミンC」「ミネラル群」が不足しないよう意識しましょう。
体質には個人差があるので、「食べると明らかにニキビが悪化する」と感じる食品があるなら、控えるようにしてください。

ニキビがある時は
メイクを控えた方が良いの?

メイクをしないのがベスト。
ノーメイクがストレスになるようなら、
薄化粧で長時間のメイクは避けて。

ニキビがある時は、メイクも刺激となるので避けることがベストです。とはいえ、ノーメイクがストレスになったり、身だしなみとして必要な場合は、ニキビの周辺は低刺激のパウダーを使ったり、目元や口元のポイントメイクだけにしたり、薄化粧で乗り切りましょう。
油分の多いリキッドファンデーションやBBクリームは、毛穴をつまらせて、ニキビを悪化させる原因になることもあるので、避けることをおすすめします。
メイク時間を少しでも短くするために、帰宅後は、できるだけ早くオイルフリーのクレンジング料でメイクを落としましょう。素肌に戻ったらすぐ、化粧水などでしっかり保湿を行ってください。ニキビがあっても保湿は必要です。

思春期ニキビと大人ニキビ。
ケアは同じでいいの?

思春期ニキビと大人ニキビでは
原因が異なるため、
必要なケアも変わってきます。

思春期にできるニキビは、過剰な皮脂分泌が原因であることが多く、皮脂のケアや肌を清潔に保つことが大切です。
一方、大人のニキビの場合は、メイクによる毛穴詰まりや、肌の乾燥・ターンオーバーの乱れなどによって毛穴が詰まりやすくなるなど、原因は人それぞれ。したがって、ニキビの原因となる生活習慣を見直すと同時に、お肌の状態に合わせたケアを選びましょう。ニキビに効能のあるビタミン剤や塗るタイプの治療薬など、市販薬を取り入れることも選択肢の一つです。 症状が重い場合は早めに医療機関(皮膚科)を受診することをおすすめします。

顔にできるニキビと、
背中やお尻などからだにできる
ニキビは違うの?

どちらも、角質や皮脂が毛穴の中に
たまることから始まる
皮膚の炎症です。
しかし、
顔のニキビとからだのニキビでは、
原因となる菌が異なる場合があります。

どちらのニキビも「古い角質などによって詰まった毛穴の中に皮脂がたまること」から始まるのは共通していますが、顔とからだで、原因となる菌が異なっている場合があります。
ニキビができるまでには、栄養バランスの乱れ、月経や便秘、ストレス、睡眠不足、不適切なスキンケア、肌の乾燥、強い紫外線など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
症状が重い、赤みや膿が強いニキビ、痛みがあるなどの場合だけではなく、白ニキビや黒ニキビなど毛穴の詰まりがみられた時点で、早めに医療機関(皮膚科)を受診することをおすすめします。

熊田 朗子(くまだ さやこ)先生あらきクリニック 皮膚科・美容皮膚科医

富山医科薬科大学(現 富山大学)医学部卒業。
石川県立中央病院、金沢大学医学部付属病院にて初期臨床研修、
金沢大学皮膚科学教室入局、加賀市民病院皮膚科医長、都内や千葉県などで研鑽を積み、荒木病院美容皮膚科着任。

ニキビの予防には
日々のスキンケアと
規則正しい生活習慣を!

肌質、体質などによって、ニキビができやすい人とそうでもない人がいますが、すべすべの肌を保つために、予防をしておくにこしたことはありません。日々のスキンケアと規則正しい生活習慣で、ニキビができにくい肌を目指しましょう。

バランスの
よい食生活
ニキビ予防に有効な脂質の代謝を促し、肌の調整を整えるビタミンB群やビタミンC、ミネラル群を積極的にとりながら、バランスのよい食事を心がけましょう。
十分な睡眠
睡眠不足になると免疫力が低下し新陳代謝が遅れ、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。
しっかりと質のよい睡眠をとるように心がけましょう。
ストレスを
ためない
ニキビの原因の一つにはストレスもあると言われています。適度な運動、入浴、リラックスを心がけ、ストレスを解消していきましょう。