- ぜにたむしとは、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に増殖して起こる感染症です。
- 動物との接触や格闘技などの身体接触が多いスポーツによる感染、本人の水虫などが原因で起こります。
- 体や腕、脚などに、かゆみを伴い環状に赤く盛り上がる特徴的な発疹が現れます。
- 皮膚の清潔を保つことが大切です。治療には抗真菌薬が用いられます。
ぜにたむし(体部白癬)とは?
原因は?
- 白癬菌(皮膚糸状菌)というカビ(真菌)の一種が体や腕、脚などの皮膚に感染することで起こります。
- 水虫(足白癬や爪白癬)と同じ菌が原因であるため、水虫があると、そこから体部に広がって起こることがあります。家族の水虫からうつることもあります。
- 動物からうつることもあります。白癬菌に感染している動物(犬や猫など)との接触により、ヒトに感染します。
- 格闘技の選手間における集団感染の例があり、こうした身体接触が多いスポーツで他者から感染することもあります。
主な原因 | 悪化の要因 |
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・水虫(足白癬)を放置したことによる拡大 ・家族の水虫からの感染 ・犬や猫などの動物からの感染 ・コンタクトスポーツ(他者との身体接触)による感染 |
・高温多湿の環境 ・皮膚の不衛生 ・汗をかいたままムレるような状態(おむつ着用など) など |
どんな症状?
- 体幹部や顔、首、腕、脚などに、赤く盛り上がった小さな発疹(丘疹)が初期症状として現れ、円形~楕円形状に拡大していきます。
- 輪を描いたように辺縁が環状に赤く盛り上がり、輪の内側は治っているかのように見える、特徴的な発疹(丘疹や水疱)がみられます(必ずしも環状にならない場合もあります)。
- 多くの場合、強いかゆみを伴います。
対処・予防法は?
- 皮膚を清潔に保つことが大切です。白癬菌が皮膚の表面についてもすぐに感染が成立する(うつる)わけではないため、1日1回は入浴やシャワー浴を行って、ていねいに体を洗いましょう。
- 自分や家族に水虫(足白癬や爪白癬)がある場合、そこから感染が拡大しないように、しっかり治しましょう。
- 感染の拡大を防ぐため、タオルなどを他者と共有するのは避けましょう。
- ペットなどの動物からの感染であれば、接触を避けるようにし、感染源の動物も治療します。
- 自己判断でステロイド外用薬を使用すると悪化することがあります。まずは医療機関(皮膚科)で検査をしてもらい、白癬菌が原因であるかどうかの診断を受けることが大切です。
- 白癬菌が原因であることがはっきりすれば、抗真菌薬(塗り薬)による治療が有効です。市販薬(OTC医薬品)にも抗真菌作用のある薬があります。
- 外用薬(塗り薬)のみで完治が難しい場合などには、抗真菌薬の内服治療が行われます。