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汗疱とは?

汗疱を発症している女性のイラスト汗疱を発症している女性のイラスト
  • 汗疱(かんぽう)とは、汗が原因で手足の指や手のひら、足の裏などにできる小さな水ぶくれのことを言います。
  • 水ぶくれが次第に大きくなり破れ炎症が起こった状態(汗疱状湿疹)になると、かゆみ痛みを伴います。
  • このような疾患を異汗性湿疹と言います。
  • 特に春から夏にかけて汗をかく季節に症状が出やすく、秋になると症状がよくなるケースが多いです。
  • 手が荒れて皮膚が硬くなっている状態の時に、併発することがあります。
  • 水ぶくれができると2~3週間程度で、薄皮がはがれ落ちていきます。
  • 人にうつることはありません。

原因は?

  • 汗疱の原因は汗の詰まりが原因と考えられていますが、否定する学者もいます。
  • 通常、汗は皮膚の深くにある汗腺でつくられ、汗管を通って皮膚の外に排出されます。
  • しかし以下のような時に、汗がうまく外に出せずに、皮膚の中に溜まってしまうことで水ぶくれとなってしまいます。
    大量の汗をかいた
    汗管が細い
    急に汗が冷やされる
  • また湿疹化する場合に金属アレルギーが関係しているという考え方もあります。
  • 例えば歯に詰めている金属が体内に吸収されたのち、汗となって排出される時にアレルギー反応を起こして、水ぶくれが起こるとも言われています。
  • このほかにもストレスによる自律神経の乱れも原因の一つではないかと考えられています。
①大量の汗をかく②汗がうまく外に出せずに、皮膚の中に溜まってしまう③水ぶくれができる (イメージ図)

どんな症状?

  • 汗疱は手足などに小さな水ぶくれが多数できます。
  • 程度が軽いものは痛みやかゆみを伴うこともなく、2~3週間程度で自然に治ります。
  • しかし場合によっては、水ぶくれが大豆サイズにまで膨れ、周辺が赤くなったり、白色に濁っていきます。
  • また水ぶくれが破れ湿疹のようになると、痛みやかゆみを伴うこともあります。
  • 皮がむけてぶつぶつになった後に、皮膚の表面がはがれ落ちて治癒していきます。

似た疾患は?

  • 汗疱とよく似た疾患があり、確実な診断が重要です
  • 汗疱だと思っていたら、違う疾患だったということも考えられるため、似た疾患にどのようなものがあるのか知っておきましょう。

水虫

  • 正式には白癬と呼ばれます。
  • 汗疱が手足にみられるのに比較し、白癬は足に多く見られます。
  • 足白癬には、汗疱に類似する小水疱型、および趾間型、角質増殖型が存在します。
  • 診断は皮膚を一部採取し、顕微鏡で菌糸を観察することで確定診断がつきます。
  • 他人に比較的容易にうつしてしまうため、確実な診断と治療が求められます。現在では効果的な外用薬が登場しており、毎日習慣として使用することが求められます。

掌蹠膿疱症

  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、小さな水ぶくれや、黄色い膿疱が手足に起こります。
  • 膿疱の有無で汗疱かどうか判断できますが、膿疱を伴わない場合は鑑別が難しい場合もあります。
  • 人によっては、肘や膝などに症状が出るケースや、爪が変形するケースもあります。
  • 掌蹠膿疱症の主な原因は、喫煙や扁桃炎、虫歯や歯科金属アレルギーなどが関係していると言われています。
  • 汗疱との大きな違いは、汗疱は一時的なものであるのに対し、掌蹠膿疱症は数年に渡って症状が繰り返し出てくることが特徴的です。

治療方法は?

  • 水ぶくれをつぶすこと、剥がれかけた皮膚を無理に引っ張ることは避けてください。
  • 症状が軽い場合は自然治癒していくことが多いため、清潔に保ち経過観察することも多いです。
  • 皮膚がむけているが特に痛みやかゆみがない場合には、保湿剤を処方し、皮膚の表面を柔らかくすることで汗の排出を促すこともあります。
  • 水ぶくれが潰れて炎症を起こしている場合には、ステロイド外用薬で治療することが一般的です。
  • かゆみがひどい場合は、抗ヒスタミン内服薬を併用します。
  • 薬を用いたからといって即座に症状が消えるわけではありませんが、おおよそ2~3週間程度で症状が改善することが多いです。
主な
治療方法
備考
ヘパリン類似物質配合の保湿剤 症状が軽くかゆみもない場合
ステロイド外用薬・サリチル酸(塗り薬) 水ぶくれが大きく炎症を起こしている場合
アレルギー剤・抗ヒスタミン剤(飲み薬) かゆみが強い場合
  • 汗疱の症状が現れたら、できるだけ早く受診するようにしてください。

対処・予防法は?

  • 汗疱は汗で蒸れたり、外部の刺激によって悪化する可能性があります。
  • そのため、汗はこまめに拭くなどして清潔に保ってください。
  • 炎症などを起こしている場合はできるだけ水仕事は避けるようにしましょう。
  • 毎日の家事などで水仕事をする場合は手袋を着用するなどの工夫がおすすめです。
  • 手洗い・入浴後はタオルでしっかり水気を取り除きましょう。
  • 室内は高温多湿を避けるために、適宜、除湿や換気を行うことで汗疱を防止することができます。
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