セルフケア能力
効果的なセルフケアを行うためには、抗がん剤の副作用としての皮膚障害に対する患者さんの理解度も重要になります。副作用に対する理解度を確認しておくことが必要になります。
また、セルフケア能力が低い場合は、ケアをサポートしてくれる家族などの存在も重要になるので、手伝ってくれる支援者がいるかどうかも確認しておきましょう。
事前のチェックポイントまとめ
- 日常的にどのようなスキンケアをしているか
- ひげ剃りは電気シェーバーなのかカミソリなのか、シェービングクリームを使っているか(男性の場合)
- どのような化粧品を使っているか(女性の場合)
- 毎日、入浴またはシャワー浴をする習慣があるか
- 何を使ってどのように体を洗っているか
- 入浴後に保湿クリームなどで保湿しているか
- 足の裏などのタコや外反母趾はないか
- 手湿疹や手荒れがないか
- 巻き爪はないか
- 深爪をする習慣はないか、逆に爪を伸ばしすぎていないか
- セルフケアできる能力があるか
※セルフケア方法については、後述の「スキンケア指導(保清・保湿・保護)」編と、
「
スキンケア指導(日常生活)」編でそれぞれお伝えしています。
患者さん自身にチェックしてもらうこと
医療従事者が質問してセルフケア状況を確認するだけでなく、患者さん自身にも自覚症状などを中心にチェックしてもらっておくことも必要です。
とくに、入浴時は全身の皮膚を観察できる最大のチャンスです。皮膚の色や潤い状態、傷などの有無を確認するように説明しましょう。
患者さん自身でのチェックポイント
- 皮膚の痒みや痛みはないか
- 皮膚がカサカサしていないか
- 皮膚にブツブツは出ていないか、ニキビのような皮疹はないか
- 手足の皮膚がむけたりしていないか
- 皮膚が赤くなっていないか
- 皮膚から膿のようなものが出ていないか
- 爪のまわりに炎症がないか
さらに、薬疹や紅斑、手足症候群を想定して、皮膚の痛みや発赤、水ぶくれが出たり、手足の皮がむけたりした場合などは、病院を受診するようにあらかじめ指導しておきましょう。