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生活で役立つ

スキンケア指導(日常生活)

日常生活の中でも実践できるスキンケア方法について指導を行っていきましょう。

ひげの剃り方

男性の場合、ひげの剃り方によっても皮膚への負担が強くなります。

指導ポイント

  • カミソリは皮膚の表面を削って傷つけてしまうことがあります。皮膚の保護のためには電気シェーバーの方が望ましいでしょう。
  • 電気シェーバーを使う際には、シェーバーを持っていない方の手で皮膚を引っ張り、毛幹を立たせ、シェーバーの面が皮膚に垂直になるように軽く当てて剃ります。
  • 毎日ひげを剃ると皮膚が荒れる原因となるので、土日など、時にはひげ剃りを休むことも必要です。
  • ひげ剃りの際には、シェービング剤を使うことで菌の増殖も防げますので、使用をお勧めします。
  • 深剃りをしないようにしましょう。
  • ひげ剃りのあとには保湿用化粧料を使って保湿を行います。
  • 男性用の洗顔料やローションには刺激の強い成分が含まれていることが多いので、敏感肌用を選ぶようにしましょう。

爪の切り方

爪囲炎を予防するために、爪を切りすぎないようにすることが大切です。

指導ポイント

  • 手足とも深爪を避け、少し伸ばして一文字切りにします。爪の端がスクエア(四角)になるように切ると周囲に食い込みにくくなります。角は爪ヤスリで丸く削ります。

    爪の切り方

  • 爪を保護するためのベースコートやトップコート、水絆創膏を使って爪を補強するのもお勧めです。

化粧品やクレンジングの使い方

皮膚のトラブルがなければ基礎化粧品やメイク用品を使用しても問題ありませんが、皮膚がピリピリするなどの違和感がある時は使用を控えるように指導します。どうしてもメイクが必要な場合は低刺激の敏感肌用化粧品を勧めましょう。とくに、ざ瘡様皮疹のある場合はパウダーのみ、あるいはポイントメイクにとどめておいた方が皮膚への負担は少ないでしょう。

指導ポイント

  • お化粧をしている時間はできるだけ短くします。
  • メイクをする前には保湿ケアを十分に行います。
  • メイクを落とす時は、水性のジェルタイプか乳液タイプのクレンジング剤を皮膚になじませるように使います。オイルタイプは皮膚への負担が強いので避けます。クレンジング剤が残らないように十分すすぐことが大切です。
  • 基礎化粧品はニキビのできにくいノンコメドジェニックテスト(試験)済みなどの表示がある製品がお勧めです。これらの化粧品は毛穴が詰まりにくいことが確認されています。

紫外線ケア

直射日光に当たると紫外線によって皮膚の乾燥が進むとともに、色素沈着などが悪化します。日焼けをしないように心がけます。

指導ポイント

  • 帽子や手袋、日傘、長袖の上着などで皮膚の露出を避けます。
  • 皮膚が露出する部分には、紫外線を防ぐ効果の高い日焼け止めクリーム(SPF値30以上)を使用します。日焼け止めクリームはノンケミカル(紫外線吸収剤フリー)の製品を選びます。
  • 外に長時間いる場合は日焼け止めクリームを何度も塗り直します。

虫刺され

虫に刺されると、痒くて掻きこわしてしまうことがあるので、虫のいるような屋外に行く時は虫刺されには注意が必要です。

指導ポイント

  • 虫除けスプレーを使ったり、長袖の衣類を着るなどしてなるべく虫刺されを避けるようにします。
  • 虫除けバンド、パッチやシールタイプのものも活用しましょう。
  • 虫に刺された時は放置せず、汚れや菌を洗い流し、腫れている場合は氷のうなどで冷やします。
  • 痒みがある時は、痒み止めを使います。

調理・水仕事・畑仕事

調理や水仕事は手が荒れるので注意が必要です。畑仕事をする際は土を直接触らないようにします。

指導ポイント

  • 調理や水仕事をする時には薄いゴム手袋(できればパウダーフリー、ラテックスフリーの製品など)を使用します。

    水仕事イメージ
  • ゴム手袋はかぶれやすいので、水仕事や畑仕事など皮膚が汚れやすい作業をする時は、柔らかい綿の手袋をしてその上からゴム手袋をするようにします。
  • 調理用洗剤は手にやさしい製品を選びます。
  • 調理、水仕事が終わったあとには、ハンドクリームをしっかり塗るようにします。

室内環境

室内が乾燥していると皮膚も乾燥します。乾燥しないように室内環境を整えることも大切でしょう。

指導ポイント

  • 必要に応じて加湿器を使用して湿度をコントロールします。
  • コタツや電気カーペット、電気毛布などで乾燥すると痒みが起こります。温度や使用時間に気をつけるとともに、保湿ケアを行う必要があります。

セルフケアにおける注意点は多岐にわたりますが、患者さんにすべてを一度に伝えても実施することはできません。患者さんの以前からの皮膚の状態や仕事、生活状況などに合わせて優先順位をつけて、必要な点に絞ってアドバイスしていくことが大切です。セルフケア指導は患者さんとの密なコミュニケーションの上に成り立つということを忘れないでください。

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