スキンケア指導(保清・保湿・保護)
セルフケアのポイントは、「保清」(肌を清潔に保つ)、「保湿」(肌に潤いを与える)、「保護」(紫外線などの刺激を避ける)の3つです。
具体的には次のような点について指導を行っていきましょう。
入浴・洗顔の方法(保清)
皮膚障害を予防するには、まず肌を清潔に保つことが重要になります。毎日の入浴やシャワー浴、洗顔で汚れをしっかりと落とします。
指導ポイント
洗浄剤
- 体や顔を洗うための洗浄剤は低刺激、弱酸性の製品を選びます。アルカリ性の洗浄剤は肌の脂分を洗い流して皮膚を弱くしてしまうので避けるように指導してください。
- 洗浄剤は泡タイプのものを使うか、石けんをネットでよく泡立てます。水やお湯を含ませてよく泡立てることによって、洗浄剤の濃度も薄まります。
洗浄方法
- 洗いすぎは禁物です。肌の保湿成分を落としてしまいます。
- 体や顔を洗う時は、最初に汚れをぬるめのお湯で流してから、洗浄剤を使うようにします。
- 皮脂が多い鼻とおでこはとくに丁寧に洗う必要があります。
- 手のひらか柔らかいタオル、ガーゼを使って、皮膚をゴシゴシとこすらず、泡を転がすようにやさしく洗います。
- 硬めの基材の軟膏とワセリン保湿剤を使ったところは基材が汚れとして残りやすく、炎症になることもあるので、ガーゼなどを使って洗い流しましょう。
- 髪の毛を洗う時は、爪を立てず、指の腹で頭皮を洗うようにします。
- 洗ったあとは、洗浄剤の成分が残らないように十分に洗い流します。
- 爪囲炎の予防のために、爪のまわりをしっかりと洗うことも重要です。爪の周囲のみぞは歯ブラシを使って洗うように指導しましょう。
- 爪囲炎や亀裂などがあり、痛みの出ている部位は、泡を乗せてしばらく置いてから、弱めの水圧のシャワーで流します。
入浴方法
- 入浴剤は単に体を温めるだけではなく、保湿能力のある製品を勧めましょう。
- シャワー浴だけでなく、できるだけ浴槽につかって汗腺を活性化することが大切です。10〜15分は湯船につかりましょう。
- 熱いお湯は皮脂膜を取り除いて皮膚を乾燥させます。38〜40度のぬるめのお湯で洗い流し、お風呂の温度も40度以下にします。
入浴後
- 入浴や洗顔後に水気を拭きとる際は、皮膚をこすらずに、柔らかいタオルを軽く押し当てて水分を吸収させるようにします。
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保湿の方法と保湿剤の塗り方
皮膚のバリア機能を補うために、保湿剤(軟膏やクリーム、ローション)をこまめに塗って、肌の水分量を増やして乾燥を防ぎます。
手足症候群の予防のためにも保湿はとても大切です。
指導ポイント
保湿剤
- 保湿剤は低刺激、弱酸性の製品を勧めてください。スキンケアを継続するためには、入手しやすい製品を選ぶことも大切です。
- 肌の保湿成分セラミドなどを含む保湿剤もお勧めです。
保湿剤の塗り方
- 入浴や洗顔のあとは時間の経過とともに皮膚の乾燥が進みます。水気を拭き取ったら、できるだけ早く(15分以内に)全身に保湿剤を塗ります。
- 保湿剤は十分に塗ることが大切です。軟膏やクリームの場合はチューブに入った保湿剤を人差し指の先から第1関節の長さまで出した量を1FTU(フィンガーチップユニット)といいます。これが手のひら2枚分の広さに塗布する目安の量です。ローションの場合は1円玉くらいの大きさが1FTUになります。
- 塗る時は、皮膚をこすらずに、塗りたいところの何か所かに保湿剤を置いて、手のひらでおさえるように広げていきます。
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皮膚を保護する方法
皮膚症状の悪化を防ぐには、皮膚に刺激を与えないことも大切です。なるべく外的刺激から保護するようにしましょう。保湿をしたら、手袋や靴下などで皮膚を保護することもお勧めです。
指導ポイント
衣類
- 衣類は、肌への刺激が少なく、ゆったりとした綿やシルクなどの素材のものが適しています。通気性、吸湿性の良いものを選ぶことも大切です。
- 直接皮膚に触れる衣類は化学繊維のものは避けるようにします。
- 皮膚への刺激を避けるために、縫い目はなるべく少ないものを選び、首の部分に縫いつけてあるタグは切るようにします。
- 衣類の洗濯をする際には洗剤をよくすすぐことも大切です。
靴
- 靴は自分の足のサイズに適したものをはくようにします。その際、足長だけでなく、足の幅を測定して足に合ったものを選ぶ必要があります。
- 靴は、実際にはいてみて、足先に少しすき間ができるサイズが適しています。
- 靴をはいた時の体重による圧迫を少なくするために、足底にインソールを敷くのも良い方法です。