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抗がん剤のタイプ別皮膚障害
抗がん剤による皮膚障害は頻度の高い副作用(有害事象)ですが、生命にかかわることは少ないことから、これまで医療従事者の間では、他の重篤な副作用や症状に比べてあまり重視されてきませんでした。
しかし近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といった新しいタイプの抗がん剤が登場し、従来の殺細胞性抗がん剤(細胞障害性抗がん剤)とは違った特有の皮膚障害が生じることが明らかとなり、抗がん剤の副作用としての皮膚障害への対応の重要性が見直されてきています。
皮膚障害をうまくコントロールして患者さんのQOLを低下させることなく治療を継続することは、とくに分子標的薬の抗腫瘍効果を最大限に引き出すためにとても大切です。ここでは、皮膚の構造や働き、抗がん剤のタイプ別の皮膚障害や発生原因、対処法について学んでいきましょう。
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- 皮膚に学ぶ
- 皮膚の構造や役割、皮膚障害(爪の構造と働きを含む)について解説します。
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- 薬に学ぶ
- 抗がん剤のタイプ別の皮膚障害の原因や症状、発現時期を解説します。
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- 症例から学ぶ
- 主に分子標的薬で現れやすい皮膚障害について、症例を交えて解説します。
監修:福島県立医科大学 皮膚科学講座 教授 山本 俊幸 先生