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蚊に刺された跡を残りにくくするためには?皮膚科医に聞いたセルフケア術【マンガで解説】

August 1, 2024

  • 取材・文・編集:岩崎 幸
  • 漫画:momo
  • 監修医師:大井美恵子先生

更新日:2024年09月25日

「蚊に刺されやすい人」の共通点は…

――そもそも蚊に刺されやすい人には共通点があるのでしょうか?

大井 比較的体温が高い人や汗をかきやすい人、また、蚊は脇や足のニオイを好むといわれているので体臭が強めの方は刺されやすいとされています。それと蚊は光の波長で色を見分けており、“黒くて動くもの”に反応するため、白い服よりも黒い服を着ていた方が刺されやすいとのデータ(※1)もあります。

※1 Alonso San Alberto, D., Rusch, C., Zhan, Y. et al. 2022 Feb 04. (13)555

――ちなみに、子どもの頃より大人になってからの方が蚊に刺されても治りにくいと感じるのですが……。

大井 保湿されている肌とカサカサの肌だと、かゆみが出やすいのは乾燥している肌の方だとされています。子どもの頃は肌の水分量が多いですが、大人になると減少してくるためかゆみも出やすいことはあるかもしれません。ただ、大人だから治りにくいというよりも、体質による個人差が大きく影響していると考えられます。喘息やアトピー性皮膚炎を持っているなど、アレルギー体質の方はより症状が長引きやすいとされています。

蚊に刺された跡を残りにくくするためにセルフケアでできること

――蚊に刺された後にできる跡って、他の色素沈着と一緒なんでしょうか。

大井 できるメカニズムとしては一緒です。蚊に刺された箇所のかゆみを抑えようとしてメラニン色素が溜まっていくんです。まったく掻いていなくても、ちょっと赤くなったり黒っぽくなったりするのは、身体の修復機能が正常に働いてる証拠です。その状態に加えて日焼けしたりしてしまうと、跡がなかなか消えずに長引きやすくなります。

――跡にならないようにどんなことをセルフケアでするといいのでしょうか。

大井 まずは“かきこわし(=摩擦)”を防ぐことが大切。虫さされ用のパッチなどを貼って、かきこわしを防ぐことが効果的です。また、健康的な肌を維持し、ターンオーバーを保つためにも、保湿を心がけていただくことが大切です。そして必要以上に患部を圧迫せず、こすらないということ。メラニンの生成を制御する働きがあるビタミンC等を配合したビタミンC主薬製剤によるしみ・そばかすの緩和をすることや、漢方の四物湯(しもつとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などを内服することがおすすめです。また、日焼け対策も忘れずにしっかりとするようにしましょう。

それと大人の場合、貧血や亜鉛不足があると肌の修復能力が下がるため、より治りにくい原因にも。鉄分・亜鉛不足にならないように食生活や生活習慣を見直すことも大切です。

――お話ありがとうございました。この夏は蚊に刺され跡を残さない肌を目指します!

こんな虫や生き物にも注意!

どのような「虫さされ」でも、まずは患部を洗って清潔にすることが基本。そして日常的な虫さされの症状であれば、市販薬で対処できる場合もあります。
詳しくはこちら▶▶▶▶虫さされの対策|くすりと健康の情報局
一方で、虫ごとにやっかいな特徴を持っていたり重症化するケースもあるので、予め事前知識をもち、医療機関を受診する目安を知っておくことも大切です。

・ハチ
基本的にただ近づいただけでは刺しませんが、巣作りが活発になる6月から秋にかけては注意が必要。特に攻撃性が強いスズメバチは気をつけましょう。スズメバチに限らずハチに刺された場合は医療機関を受診しましょう。

・マダニ
マダニは気づかないように、噛んだり血を吸ったりしますが、皮膚に頭の部分を突っ込んでいるような状態なので、大きなほくろまたは、黒い異物が皮膚にくっついたような形で発見することがほとんど。無理に引っ張ると手や足が皮膚の中に残ってしまうこともあるので、そのままの状態で病院を受診してください。また、病原体を持っているマダニに噛まれると、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症に感染することもあるので、マダニに噛まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱などの症状が現れた際には、医療機関を再度受診してください。

・クラゲ
クラゲに刺されると急にチクッと激しい痛みがあり、その後ミミズ腫れのように腫れてきたり水泡ができたりします。刺された箇所をなるべく早く海水でしっかり洗って、冷やすようにしましょう。トゲが抜けない、抜く手段がない場合は病院を受診するか、海などの場合は救護施設など救急処置ができる場所に行って対応してもらいましょう。また、クラゲはアナフィラキシーショックが起こる危険性があるので、息苦しさ、立ちくらみ、吐き気、意識障害などがあったらすぐに救急車を呼びましょう。

・トコジラミ
近年欧米や韓国などでその被害が報告されていて、最近日本でも増加しています。刺されると激しいかゆみを伴い、発熱を引き起こす場合も。ダンボールや家具の隙間に潜んでいたり、布製品に付きやすいとされているので、ダンボールは早く処分し、シーツなど布製品は清潔に保つようにしましょう。市販のステロイド剤などの塗り薬をしばらく使用しても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

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