- 編集:健康美塾編集部
- 文:小野貴弘
- イラスト:小迎裕美子
更新日:2024年08月02日
1月は、新年のスタートということで、心機一転、新しいことを始めたい時。でもそんなすがすがしいスタートですが、あえて・・・ぜひ意識してほしいのが、口の中をスッキリと見直すこと。「え?口の中のコトなんてそんな大事??」と侮るなかれ。今回は若い女性には一見関係がないように思えて、実はとっても身近で怖い存在でもある「歯周病」について探っていきたいと思います。
思い込みcase:1
毎日普通に歯みがきをしていれば 歯周病なんて関係ないでしょ?
そう思っている人がほとんどだと思います。普通はそう思いますよね。残念なことに、毎日歯を磨いていても「歯周病」になる可能性は誰にでもあるのです。
もしかして「歯」だけを意識して磨いてませんか?または「歯ぐき」だけを意識してませんか?実は大切なのは、「歯と歯ぐきの間」。
歯と歯ぐきの間に溜まった細菌の塊である歯垢(プラーク)をきちんと取り除けないと、「歯周病」のリスクにつながってしまいます。
驚くべきことに、成人の4人に3人は歯周病のおそれがあり、さらに衝撃的なのは35歳を過ぎると8割以上の方が歯周病にかかっているといわれています※。
※出典:厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査
歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)と呼ばれるほど、自覚症状がほとんどない怖い病気なんです。
そもそも歯周病とは、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏などの総称で、歯の磨き残しなどが原因による細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
具体的には、歯ぐきが歯垢内に生息している歯周病菌に感染して、歯ぐきの炎症、出血、もっと進行すると、歯を支える骨をも溶かしていきます。
放っておけば、最悪、歯を失う原因にもなります!
実は、歯の抜ける一番の原因は「虫歯」ではなくこの「歯周病」だともいわれています。
歯周病がさらに怖いのが、全身にも悪影響を及ぼしてしまうこと。
「え?口の中の問題なのに、全身に?」と思ってしまいますよね。
でも、歯周病菌や歯周病で発生した有害物質は、「血液」を介して体の隅々にまで広がってしまうことで、心臓病や脳卒中、心筋梗塞などの全身の疾患を引き起こすきっかけになる場合もあると、過去の研究から明らかになっているんです。(詳しくはこちら)
何やら思っている以上に怖い症状ですが、
「おじさんやお年寄りが注意すべき病気で、若い私たちのような女性には関係ないでしょ?」
と思っていませんか?実は「女性」の方が歯周病になりやすいとも言われています。歯周病をナメてはいけません。
なぜなら、思春期・妊娠・出産・更年期といった「女性ホルモン」の変化にともなう、女性特有の歯周病の発症があるからです。
とくに妊娠中は歯周病がとても進行しやすい時期です。理由として、女性ホルモンには、ある特定の歯周病菌の増殖を促したり、歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があるのです。その一方で、つわりなどで歯みがきもこれまで以上には十分に行えず・・・こうした背景から歯周病のリスクが高まるといわれています。
しかもここで重要な、「絶対に妊婦は歯周病をほうっておいてはいけない」理由もあります。歯周病にかかっている妊婦は、早産や低体重児を出産するリスクが高まるといわれているのです。
妊娠して役所などで母子健康手帳を受け取ると、歯科医検診のお知らせ等で歯周病ケアの重要性を知る機会も増えますが、まずは妊娠における歯周病のリスクは、予め知っておくことが大切でしょう。
歯周病は、日頃の対策で回避できます。歯垢をしっかり取り除き、口の中全体を清潔にしておくことは、歯周病予防のためだけではなく、体の健康を保つためにも、そして安定したマタニティライフを送るためにも非常に重要なことなのです。
思い込みcase:2
歯周病にだけはなりたくない! いい予防法なんてあるのかな・・・?
さてそんな歯周病。予防策は・・・もちろんあります。
答えは簡単!「毎日の歯磨きを、正しいブラッシングで!」・・・実はこれこそが一番の予防策なんです。重要なのは歯と歯ぐきの間の歯垢をしっかりとブラッシングで取ること。歯垢がきちんと取れるだけでも、歯ぐきの炎症を防ぐことができます。
歯周病の怖さにまだピンとこない方は、「不快な口臭」というキーワードに置き換えてみましょう。口臭ケア、気になりますよね!?
ということで、「正しい歯磨き力(ブラッシング力)」を高めましょう!
意識したい大きなポイントは3つ。「歯ブラシの選び方」、「歯みがき粉の選び方」、「歯と歯ぐきの境目も意識したブラッシング」です。
(歯ブラシ)
まず、歯ブラシは、「普通」か「柔らかめ」のブラシを選ぶようにしましょう。硬めのブラシで強く磨くことに慣れてしまうと、歯と歯ぐきを次第に傷つけてしまい、知覚過敏になってしまうおそれがあります。
(歯みがき粉)
歯周病を意識するなら、ズバリ、殺菌成分・抗炎症成分・歯肉の血流促進成分などの入った薬用歯みがきを選びましょう。パッケージの記載を見て、自分の症状・悩みにあった歯みがき粉を選んでください。
「クリーンデンタル」は、3種類の殺菌成分と2種類の消炎成分、さらにフッ素やゼオライトなど、合計10種類の薬用成分を配合し、歯周病の予防はもちろん歯石沈着の防止やむし歯予防まで、歯と歯ぐきをトータルにケアします。
「クリーンデンタルシリーズ」には、口臭予防や知覚過敏症状の予防などにオススメのシリーズ品や、すみずみまでいきわたる”液体タイプ“の「クリーンデンタル薬用リンス」もありますので、ぜひチェックしてみてください。
(みがき方)
歯のブラッシングは、ブラシの先端を歯に直角に当て、歯と歯ぐきの境目は斜め45度に当て、小刻みに振動させます。歯の表面と歯と歯の間をキレイにすることも大切ですが、歯の裏側や歯の溝、歯と歯ぐきの境目も意識してしっかりと!
妊娠中の女性はどうでしょうか。妊娠中は唾液成分が減ってしまい、しかもつわりがひどくてブラッシングが困難になったりと、口内ケアがおろそかになってしまいがちです。そういった場合には、洗口剤を使って口をすすいだり、歯間ブラシなどを上手に使って、無理のない範囲で口の中をキレイな状態にするようにしてください。
口内ケアがおろそかになってしまうと、歯周病が進行してしまうこともあるので要注意です。
思い込みcase:3
歯ぐきがブヨブヨしてるかも・・・ これって歯槽膿漏? そんなときに、使える薬ってあるの?
歯ぐきがブヨブヨしているように感じたら、歯肉炎や歯槽膿漏の可能性があります。歯ぐきの痛みやはれを感じたら、毎日の歯みがきに加えて、薬で症状を和らげることができます。
歯ぐきの患部に塗る市販薬の歯槽膿漏薬「クリーンデンタルN」は、抗炎症成分、殺菌成分、組織修復成分、そして塗る歯槽膿漏薬で初めて(※)血行促進成分(ビタミンE)を配合。歯ぐきに塗りやすくスッキリとした使用感、そして唾液に流されにくく、患部に長くとどまって、効果を発揮します。
※2015年3月現在 塗擦タイプ歯槽膿漏治療薬において
歯ぐきの痛み、はれ、出血など、今の症状と照らして利用してみてください。
最後に・・・あえて言わせていただきます。女性ホルモンのバランスが変わる時期ではないのに、歯肉炎や歯槽膿漏の薬を使う段階にあるということは、「女子力ゼロ」を宣言するようなもの。
症状を無駄に進行させないためにも、歯周病の怖さを意識して、日々の丁寧なブラッシングを怠らないようにしましょう。そして半年に1回ぐらいのペースで、定期的な歯医者さんでの検診もお忘れなく。
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