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女性同士でもちょっと話しにくい「生理痛」のあれこれ

女性同士でもちょっと話しにくい 「生理痛」のあれこれ

March 31, 2017

  • 編集:健康美塾編集部
  • 文:小野貴弘
  • イラスト:小迎裕美子

更新日:2023年05月23日

みんなが抱えている生理痛の悩みは、友達や家族にもなかなか話しづらいナイーブな問題。さらには初産の高齢化、ストレスなどで、不妊のリスクも高まっているといいます。今回は痛みの傾向による市販薬と医療機関の使い分け、注意すべき痛み、などについて探っていきたいと思います。

思い込みcase:1

生理痛って、みんな痛いのかな? 痛さは同じぐらいなの?

生理痛の痛みは人それぞれ。痛みがほとんどない人もいれば、痛みを強く感じる人もいます。生理痛は約8割の女性が何らかの痛みを感じ、生理痛が「かなりひどい」「ひどい」と感じている人は女性全体の3割弱といわれています※。

人によっては生理痛以外に、頭痛や腰痛、吐き気をともなうといった様々な症状が現れてくる人もいます。なぜ、個人差でこれほどまでに痛みや症状の違いが出てしまうのか。それは生理の仕組みにヒントがあるようです。

生理の少し前から子宮内膜のなかでは「プロスタグランジン」という物質ができます。これが子宮の収縮を促すことで、はがれ落ちた子宮内膜を体外に押し出してくれるのですが、子宮の収縮が強くなると生理痛の症状として下腹部が痛くなったり、腰がだるくなったりします。

生理のときに痛みの違いが出るのは、その人自身が持つ「プロスタグランジン」の量の多さと、痛みの感じやすさ。つまりもともとの体質によって、痛みの反応が変わってくるということです。また、ストレスやその日の体調、生理痛へのイメージなどでも痛みの感じ方が変わってくることもあります。

ただし、もとの体質は変えられなくても、薬を適切に飲むことで痛みを和らげることならできます。例えばロキソニンS内服薬シリーズに含まれている「ロキソプロフェンナトリウム水和物」は、痛みの原因物質である「プロスタグランジン」をすばやく抑えて、優れた鎮痛効果を発揮します。
「生理は痛くて当たり前」「生理は痛みを我慢するもの」と思わずに、薬をうまく利用して少しでも生理の期間を快適に過ごしましょう。決まったサイクルで訪れるものなので、生理用品と一緒にポーチに常備しておくのもいいでしょう。

生理期間中には、簡単なセルフケアを取り入れてみることも推奨します。毛布やカイロなどで腰のまわりを温めてみる、座りっぱなしを避ける、半身浴マッサージや軽い運動をする。そして、着る服もタイトなデニムやハイヒールなどではなく、ワンピースやフラットシューズなどのリラックスしたファッションを意識してみましょう。体を締めつけない楽な格好は、血流をよくするためにもオススメです。

つらいときは安静にして、無理せずに休む、早めに薬を飲んで痛みを抑えるなど、自分の生理痛を上手にコントロールして、気長にうまく付き合っていきましょう。

なぜ起こる?どうすれば治る?生理痛のヒミツ

思い込みcase:2

若い人ほど生理痛に悩まされているって、 これホント?

生理痛が「かなりひどい」「ひどい」人の年齢別の割合は、25歳未満では43.1%、25~30歳未満では38.2%、30~35歳未満では33.2%、35~40歳未満では21.2%(※)。若い人ほど生理痛に悩まされているようです。

これには若い人ならではの理由があります。まず、子宮の発育が未熟な10代などの時期は、子宮の出口が狭いケースが多く、月経血を体外へ排出するのに痛みを生じやすいといわれています。

さらには若い人の特徴として、生理=恥ずかしいと周りの目を気にしすぎて、痛みをガマンしている方も中にはいるのではないでしょうか。無理に痛みをガマンし続けていると、体がより痛みを感じやすくなってしまう傾向にあるので、早めに市販の鎮痛薬を服用する習慣をつけるようにしましょう。

最後に補足ですが、若い時期にハマリがちな「過度のダイエット」にも注意してください。女性ホルモンのバランスが乱れるなどの悪影響があり、生理不順を引き起こす場合があるので、くれぐれもやりすぎは禁物です。適度なダイエットを心がけましょう。

思い込みcase:3

生理痛の痛みのなかで 「心配な痛み」ってどんなとき?

今、この痛みが本当に生理からきているものなのか・・・何が原因なのかわからない痛みほど不安なものはありません。生理日以外にも痛みが続く、ガマンできないほどの痛みがある、以前よりも痛みがひどくなってきている。だとしたら、それは「子宮内膜症」「子宮筋腫」などの疑いもあるので、婦人科で検査を受けることをオススメします。

若い女性に増えているのが「子宮内膜症」で、10人に1人の割合で発症するともいわれています。これは子宮内膜(赤ちゃんのベッドとなる場所)に似た組織が、本来あるべきところ以外の場所で増殖、発育する病気です。症状としては強い生理痛、排便痛、性交痛などで、月経血も多くなる傾向があります。

もうひとつの「子宮筋腫」とは、子宮の筋肉組織に発生する良性腫瘍のことで、30代後半から40代に多くみられますが、若い人でも可能性があります。腫瘍がこぶし大ぐらいになると、生理痛のほか、月経血がひどく多くなったり、腰痛、貧血、便秘といった症状が出ます。

ともに不妊症の主な原因のひとつです。とくに若い人に増えている「子宮内膜症」は、子宮外妊娠や流産につながる可能性もあるので、痛みの傾向によって可能性があると感じたら、まずは医師に相談してみてください。「婦人科って行きづらい」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、全く抵抗を感じる必要はありません。検診を受けて答えがわかれば、それだけでも安心できるというものです!定期的に検診を受けておくと、病気の早期発見・早期治療につながります。それだけでなく、何となく調子が悪いときにも、女性のカラダの悩みを気軽に相談できるような「かかりつけの婦人科」をもっておくと安心です。
これから先もずっと付き合っていく自分のカラダ。悩みの症状に合わせて、OTC薬と医療機関を上手に使い分けながら、カラダも心も快適に過ごしていきましょう。

当てはまるものがあれば、婦人科を受診しましょう。生理痛のチェックリスト!

※データ:(財)女性労働協会による「働く女性の健康に関する実態調査」(平成15年度厚生労働省委託事業として実施)

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