我慢せずに「手放す」という選択も。「女性の不調と市販薬の上手な付き合いかた」
March 1, 2024
- 取材・文:藤井優美(dis-moi)
- 撮影:神谷美寛
- イラスト:野瀬奈緒美
- 編集:大森奈奈
更新日:2024年09月25日
ウェルネスな毎日を送るうえで欠かせないのが心身の健やかさ。からだに痛みやストレスがないのはもちろん、その日の気分すら左右する肌状態もウェルビーイングに欠かすことができません。だからこそ、いま一度自分と向き合う時間を持ちませんか。
ウェルビーイング実現のために何が必要なのか。食事や運動、睡眠など生活習慣の見直しをしたり、ひとりで不快な症状を抱え込まないようかかりつけ医を見つけるなど、さまざまな選択肢があります。そして、市販薬を上手に取り入れることもひとつの手です。
とくに女性は、もやもやと肌印象をくすませる肝斑や生理におけるからだの不調に悩みがち。そこで、しみをはじめとする肌トラブルや、女性ホルモンによる不調など、多くの女性が抱える心身の悩みを約30年にわたって各方面に取材をしてきた美容エディター藤井優美さんが、ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズの土合桃子ブランドマネジャーと、トランシーノの林 毅ブランドマネジャーと鼎談。「生理痛」「肝斑」という女性の不調で市販薬とどのように向き合うべきか、話し合いました。
生理痛や肝斑が女性のQOLを下げる要因に?
藤井(以下、敬称略):心身だけでなく、精神的にも、社会的にも健康で良い状態を表すウェルビーングやQOLと言った概念が注目される昨今、より快適に生きるために「自分の機嫌は自分でとる」ことを実践する人たちが増えてきていますね。その中でもとくに女性は、体の内側と外見などの外側と、自分の機嫌を損なう不快な要因が多岐に渡ってるように思います。土合さんが担当されているロキソニン解熱鎮痛薬シリーズでは、その要因についてどのようにお考えですか?
土合:不快な症状のひとつに「痛み」が挙げられるかと思いますが、とくに女性は生理があるため、痛みの頻度や経験率が高くなりがちです。当社が実施した調査(※1)では、20~49歳の女性で「生理痛がある」人の7割強が「痛みに対処しつつ、我慢して仕事・学業・家事をしたことがある」と回答しています。生理痛では、その不快な症状を「我慢している」人が多いという実態があります。
藤井:生理痛がある人にとっては「いつものこと」「痛みが過ぎるのを待とう……」と、我慢しがちですよね。
土合:はい。ちなみに同じ調査で約9割の人が「生理・生理痛に悩んでいる人がいるという事実が理解されてほしい」と望んでいることも分かったんですね。「痛み」を取り除くだけでなく、そこに対する「理解」も不快な症状を軽減していくには重要だと思っています。
藤井:確かに毎月あるものですし、痛みに関しては個人差が大きいため、同性でも理解されにくいということは、私自身も経験があるので分かります。だからこそ、男女問わず、生理のこと、生理痛のことを理解してほしい、というのはすごく納得できます。
林:私が担当しているトランシーノ内服薬シリーズが対象としているのは肌の悩みなのですが、悩んでいる方は同じように自分を抑え込んでいる実態があります。20~50代の女性200名を対象に、肌に関する調査(※2)をしたところ、「素肌に自信を持てない人」が85%。その理由をさらに伺ってみると、しみ悩みが断トツで、併せて肝斑やくすみをあげる方も見られました。
藤井:それ、すごく分かります! 鏡を見ればどうしても肌悩みに目が行ってしまうし、何より素肌に自信が持てないと、物事に対して積極的になれなかったり、自己肯定感が下がってしまいがち。つまり、QOLの低下につながってしまうんですよね。しかし、医療機関で治療をするというのもなかなか敷居が高いですからね……。
林:そうなんです。当社では、2007年に医療現場でも用いられているトラネキサム酸を配合した肝斑改善薬「トランシーノ」を発売しました。しみをはじめ、肝斑や肌の色ムラ、くすみは「自分らしさ」に関わってくると当社も考えております。
藤井:美容に携わるものとして、肝斑がそれほど認知されていない当時に、「トランシーノ」が発売されたことはとても画期的で、思わず拍手を送ってしまったほど!
肝斑は、ほおの高い位置や、目尻の下あたりに左右対称の影のように発生するしみですが、女性ホルモンのバランスの乱れが原因になることが多いと言われていますよね。私も、生理痛軽減のためにピルを飲んだとき、妊娠・出産、更年期とライフステージが変わるたびに肝斑には悩まされ、何度か肝斑治療をしてきました。
何より肝斑改善薬「トランシーノシリーズ」は、レーザーなどの皮膚への直接的な治療とは違い、市販の内服薬で肝斑が改善できることが魅力ですね。
土合:ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズと肝斑改善薬「トランシーノシリーズ」、共通点が無いように思いますが、どちらも「女性ホルモン」に起因する症状への対処が可能という点で共通しています。生理痛も、閉経まで続くとされる肝斑も、女性ホルモンの影響で長期間に渡って対処が続く不快な症状なんですよね。
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