目のかゆみの対策

目のかゆみが起こったらどうする?

かゆみの原因が分かってるなどの場合はセルフケアできますが、激しいかゆみや痛みがある、かゆみの原因が分からないなどの場合は、専門医による治療を受けた方がよいケースがあります。目のかゆみを緩和する点眼薬には、アレルギーによる症状を抑えるものや、抗菌作用のあるものなどがあります。症状の原因や状態にあわせてくすりを選び、ケアに役立てましょう。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

かゆみや痛みが激しい、または長く続く場合は早めに受診しましょう。かゆみの原因がはっきりしない、ウイルス感染の可能性がある、膿がたまっているなどの場合も医師の診察を受けるようにしましょう。

アレルギー性結膜炎と診断されると、原因となるアレルゲンを特定するための検査を行います。

セルフケアできる場合

症状が軽い場合は、セルフケアで様子をみてみるのもよいでしょう。

かゆみを抑える抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬

アレルギー性結膜炎の目のかゆみには点眼の抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬が使われます。医師の処方でステロイド点眼薬が使われることもあります。

抗アレルギー薬は肥満細胞の膜を安定化させて、ヒスタミンなどかゆみを誘発する物質が放出されるのを抑える働きをします。

かゆいと感じるのは、ヒスタミンが神経細胞にある「ヒスタミン受容体」と結合することで、脳にかゆみの情報が伝わるからです。抗ヒスタミン薬はヒスタミン受容体を直接ブロックすることで、かゆみの情報が伝わらないようにします。

これらの点眼薬に加えて、かゆみの原因となるアレルゲンの排除などを積極的に行うことで、症状の改善が期待できます。

目のかゆみを抑えるくすり

目のかゆみを抑えるくすり

くすりの選び方と注意点

目のかゆみを緩和する成分を含む点眼薬には、さまざまな種類があります。症状にあわせて、自分に合うものを薬局で相談してみましょう。アレルギー性結膜炎であればアレルギー症状を抑える抗アレルギー成分や抗ヒスタミン成分、ものもらいであれば抗菌成分を配合したものを選びます。ドライアイは人工涙液で涙を補います。

また、目に花粉などのアレルゲンが入ってしまったときは、洗眼薬で目に入ったアレルゲンを洗い流すとよいでしょう。なお、点眼の前にはよく手を洗い、容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように注意しましょう。薬液が菌に汚染されてしまう危険があります。

分類 主な成分 作用、特徴
抗アレルギー成分 クロモグリク酸ナトリウムなど ヒスタミンなどアレルギー症状を誘発する物質が放出されるのを抑制する。
抗ヒスタミン成分
第一世代
クロルフェニラミンマレイン酸塩 抗ヒスタミン作用で炎症による不快な症状を和らげる。すでに起こってしまったアレルギー症状に効く。眠気をともなうことがある。
抗ヒスタミン成分
第二世代
ケトチフェンフマル酸塩 抗ヒスタミン作用以外に抗アレルギー作用を有する。
抗炎症成分 グリチルリチン酸二カリウム 粘膜の炎症を鎮める。
アミノ酸 コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 角膜表面を保護して、損傷の治癒を促進する。
サルファ剤(抗菌成分) スルファメトキサゾール ものもらいなどを起こす細菌の新陳代謝を止めて抗菌する。
人工涙液 塩化カリウムや塩化ナトリウム 特に薬理作用はなく、涙に近い性質を持つ。涙液を補う。

(コラム)どうして目がかゆいときにこすってはいけないの?

我慢できないかゆみ。どうしてもこすりたくなりますよね。でも目をこするのはよくありません。まぶたの上からこすっているとしても、瞳を覆っている「角膜」を傷つけてしまうからです。もし手についた菌が感染すると「角膜炎」を起こし、菌の種類によっては眼球の中まで浸透してしまいます。視力が低下する原因になるだけでなく、ひどい場合には失明の恐れもあります。

また、こすることで余計にかゆみを増強させてしまうことも。結膜炎で炎症を起こしているところをこすったりするとますます炎症が広がり、痛みを感じさせる物質である「発痛物質」が分泌されます。ヒスタミンもその一つです。そのため余計にかゆみを増強させてしまうのです。

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