喘息(ぜんそく)は、呼吸をするときの空気の通り道(気道)が、アレルギーなど炎症によって敏感になり、けいれんを起こして狭くなることで起こります。
「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や、激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状が、喘息(ぜんそく)の発作です。喘息(ぜんそく)の人の気管支をはじめとする気道の粘膜には、好酸球(白血球の一種)やリンパ球を中心とした細胞が集まり、発作がおさまっているときでも炎症が起こっています。そのため、ちょっとした刺激で気管支を取り囲む筋肉が収縮し、空気の通り道が狭くなる「気道閉塞」が起こりやすい状態が続いています。
日本では、子どもの5~7%、大人の3~5%が喘息(ぜんそく)にかかっているといわれています。
子どもの喘息(ぜんそく)は男子に比較的多く、アレルギーが原因であることがほとんどとされています。小学校高学年ぐらいから発作がなくなる時期がありますが、20~30歳代に再発することもあります。
大人の喘息(ぜんそく)の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで、男女比も変わりません。子どもの喘息(ぜんそく)に比べ、原因が明確に特定できない場合が多いとされています。
アレルゲンとなるもの | アレルゲン以外の誘因 |
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風邪などの感染症が治っても、咳が長期間(発症後8週間以上)続く場合は咳喘息のおそれがあります。
咳喘息は、発作的な激しい咳が夜中から明け方に出る、気道が刺激に過敏になっていて、アレルゲンが咳の誘因になる、季節によって悪化する、などの点は喘息(ぜんそく)とよく似ていますが、
といった違いがあります。
1~2ヶ月の薬物治療で治ることが多いとされていますが、大人の約3~4割(子どもではさらに高率)が喘鳴を伴う典型的な喘息(ぜんそく)に移行するという報告があります。
風邪、インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマなど、感染症によっても発作性の咳が出ます。感染症による炎症がきっかけとなり、喘息(ぜんそく)を発症することもあります。
また、長く続く症状が結核やがんであることもあります。
風邪などはセルフケアによって短期間で治ることも多いのですが、感染力が強い、重症化しやすいなど、抗菌薬による治療が必要となる感染症もあり、症状が激しい場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
咳や痰が続くおもな病気 | 百日咳 | 最近成人に増えている。2週間以上の発作性の激しい咳 |
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マイコプラズマ | 高熱が出る。もともと喘息(ぜんそく)があると悪化させる | |
結核 | 微熱がある。胸部X線で鑑別 | |
急性気管支炎 | 風邪やインフルエンザをこじらせて発症 | |
副鼻腔気管支症候群(SBS) | 慢性副鼻腔炎、慢性気管支炎、気管支拡張症が合併 | |
アトピー性咳嗽 | のどのかゆみ、空咳など。アレルゲンがある | |
胃食道逆流症(GERD) | 痰はない。胸やけがある。胃の治療で改善 | |
後鼻漏 | 鼻水が気管に落ちる。慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎が原因とされる | |
心因性咳嗽 | 小児に多い | |
肺がん | 血痰、胸や背中の痛み | |
呼吸困難を伴うおもな病気 | 肺水腫 | 心機能が低下して起こる、喘息(ぜんそく)によく似た症状 |
COPD | 喫煙がおもな原因。咳、痰、息切れがある | |
過喚気症候群 | ストレスなどによって起こる過呼吸 | |
喘息(ぜんそく)と合併しやすい病気 | 花粉症などアレルギー性鼻炎 | 花粉などアレルゲンの増加する時期は喘息(ぜんそく)も悪化する |
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