インフルエンザのくすりは市販されていないため、感染が疑わしい症状が出た場合は、速やかに医療機関で検査を受けましょう。基本的な治療にはウイルスの増殖を抑える「抗インフルエンザウイルス薬」が用いられます。家庭では安静にし、栄養価の高い食事とこまめな水分補給を心がけましょう。人に移さないための対策も必要です。
インフルエンザを疑うような症状が見られて検査を受けても、発症した直後はウイルスの量が少なく、「陰性」の結果が出てしまうこともあります。ただし、治療に抗インフルエンザウイルス薬を使用する場合は、発症してから48時間以内に投与することが望ましいため、受診が遅すぎてもよくありません。
早めに一度受診し、検査結果が陰性でも症状が続く場合には48時間以内にもう一度受診し、検査を受けるようにしましょう。
インフルエンザの治療薬として使用される「抗インフルエンザウイルス薬」は、ウイルスの増殖を抑え、発熱などのつらい症状を短くするために使うくすりです。また、乳幼児や高齢者などの重症化を予防するためにも有効といわれています。
ウイルスは初期ほど急激に増えるため、発症後48時間以内に投与することが重要です。
病院で処方される(治療に使用される)くすりは以下の通り。
くすりを服用した後に、異常行動やそれによる転落死などが起こったとの報告があることから、原則として10代の患者には特定の抗インフルエンザ薬を使用しないことになっています。異常行動としては、急に走り出す、ウロウロする、興奮して意味不明なことを言う、外に飛び出すなどの報告があります。
ただし、それが本当に特定の抗インフルエンザ薬によるものかどうかはまだ解明されていません。そのため、インフルエンザにかかり自宅療養している場合は、少なくとも2日間、子どもをひとりにせず、注意深く様子を見ることが必要とされています。
また、解熱鎮痛薬のなかにも、15歳未満の子どもがインフルエンザにかかっているときには使用を避けるべきものがあります。使用できるものもあるので、解熱鎮痛薬を使う場合は独断で使用せず、必ず医師に相談しましょう。
まずは無理をせず安静にしてゆっくり休むことです。部屋を温かくして保温を心がけ、体を冷やさないようにしましょう。さらに、抵抗力を高めるには栄養が欠かせません。消化のよい良質のタンパク質やバランスのとれたビタミンなど、体力の消耗を補う栄養価の高いものをとるようにします。栄養ドリンク剤などを活用して栄養補給するのもよいでしょう。また、高熱が出たときは発汗のため脱水症状を起こしやすくなるので、こまめな水分補給を心がけましょう。
インフルエンザにかかったら他人にうつさない注意も必要です。なるべく人混みに出ないようにし、ウイルスを含んだ咳やくしゃみの飛沫をまき散らさないよう、マスクをするなどの配慮をしましょう。