日本人男性の3人に1人は薄毛を気にしているといわれています。近年は、女性の薄毛の悩みも増加する傾向にあります。背景には、ホルモンの影響、遺伝的要素、食生活、ストレスなどの理由が考えられています。
髪は頭部を直射日光や暑さ寒さから守り、外部の衝撃から保護するクッションの役割を果たしています。
髪を含むすべての体毛は、伸び続けるわけではなく、成長しては抜け落ち、同じ毛根からまた新しい毛が生えてくるというサイクルをくり返します。
これをヘアサイクルといい、「成長期」「移行期」「休止期」の3期に分けられます。
【ヘアサイクル】
成長期
毛の生えはじめから、成長が止まるまでの間 通常2~6年くらい
今生えている頭髪の85~90%
移行期
成長期から休止期に移行する過程の一時期 約2週間
今生えている頭髪の1%
休止期
毛根が退化してから脱毛するまでの期間 約3ヶ月間
今生えている頭髪の9~14%
休止期に入ると、毛包の長さ(毛根部分の長さ)は、成長期の2分の1から3分の1くらいになり、毛幹(見えている毛)は、皮膚表面近くまで押し上げられ、やがて脱毛します。
薄毛とは、頭髪の量が減って地肌が見えてしまう状態です。本数は変わらないまま毛が細くなる場合と、抜け落ちて本数そのものが減ってしまう場合があります。髪の本数を平均約10万本として計算すると、1日に50本から100本は自然に脱毛していると考えられますが、150本以上の状態が続くようなら、病的な抜け毛(異常脱毛)といえるでしょう。
薄毛の原因としては、以下の4つの説があると一般的に言われています。
これらの4つのうちのどれかひとつが薄毛の原因とは限りません。複数の原因が互いに影響しあっている場合も多いと考えられます。
脱毛症と呼ばれるものには、以下のような種類があります。
男性ホルモンなどが主な原因で、軟毛化(毛の数は変わらなくても、太く長い毛が再生せず、細く短い毛に置き換わる)が進み、薄毛になる状態です。軟毛化は、ヘアサイクルの成長期が短縮され、毛根が小さくなってしまうことによって起こります。
早い人では20歳代前半から始まります。ただ、男性が誰でも若くして薄毛になるわけではなく、遺伝的な素質に加え、ストレス、食事、生活習慣などの影響も大きいと考えられます。なお、男性ホルモンは、髪は薄くする方向にはたらきますが、ひげや陰毛などは濃くする(硬毛化)方向にはたらくと考えられています。
びまん性とは、広い範囲に広がるという意味です。びまん性脱毛症は中年以降の女性に多く、女性の薄毛の主な原因になっています。男性型の脱毛症と違い、頭髪全体が均等に薄くなります。加齢、ストレス、過度なダイエット、間違ったヘアケア、ホルモンバランスの乱れなどによって、ヘアサイクルの成長期が短縮し、軟毛化します。
ホルモンバランスの乱れから分娩後の女性に脱毛が起こることがあります。
コインのように円形状に毛が抜け落ちます。多発して頭全体の毛が抜けることや、全身の毛が抜ける場合もあります。
ストレスが引き金になることもありますが、自己免疫によるものと考えられています。
皮脂分泌の異常が原因で起こる脱毛症。フケが増え、感染や炎症が起きて毛根の活動が悪くなり、脱毛します。粃糠(ひこう)とは、粃(しいな、実のないもみ)や糠(ぬか)のように役に立たないもの、という意味で、フケのことを指します。
頭髪、眉毛など正常な毛を自ら引き抜いてしまう癖によって生じます。本人が自覚せずに無意識のうちに抜いていることもあります。
上記のような脱毛症以外にも、甲状腺機能亢進症、膠原病、栄養・代謝障害、感染症などの疾病が原因になって脱毛が起こることや、抗がん剤などの薬剤を使用した際の副作用により脱毛が起こることもあります。
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