便秘の対策

便秘になったらどうする?

便秘は1週間に1~2度のお通じがあり、症状が軽度であればセルフケアによる改善が可能です。運動する、食物繊維の多い食べ物を積極的に摂る、善玉菌で腸内環境を整えるなどセルフケアを行い、必要に応じて緩下剤や整腸剤など便秘治療薬を活用してみましょう。便秘治療薬は選び方などに注意が必要です。

医療機関での受診をおすすめする場合と、セルフケアできる場合

医療機関での受診をおすすめする場合

以下のような症状がみられたら、医師の診断を受けましょう。

  • 突然便秘をするようになった
  • 便に血や粘液が混ざっている
  • 便が細くなった
  • 激しい腹痛や嘔吐、発熱を伴う
  • おなかにしこりがある
  • 重度な便秘で、何をやっても改善しない など

セルフケアできる場合

便秘といってもお通じが1週間に1~2回程度ある場合には、予防のページで紹介したような食生活、排便習慣の改善、運動などを行った上で、緩下剤や整腸剤などを上手に活用して様子をみましょう。

便秘(たまる量)の程度

乳酸菌が腸のはたらきをよくするしくみ

健康な人の腸内には約100兆個もの腸内細菌がバランスよく存在し、「腸内フローラ(細菌叢)」と呼ばれています。腸内細菌は,ビフィズス菌や乳酸菌のような良いはたらきをする「善玉菌」と有害な「悪玉菌」とに大きく分けられます。]
ストレスや加齢、脂肪の多い食事のとり過ぎなどで便秘がちな人の腸内は、ウェルシュ菌などの悪玉菌が優勢になっています。
乳酸菌をとることにより、腸内が酸性に傾き、悪玉菌の増殖が抑えられて、腸内環境のバランスがよくなります。

乳酸菌が腸のはたらきをよくするしくみ

くすりの種類と選び方、注意点

便秘治療に使われる下剤は、作用メカニズムによって主に4種類に分けられます。

塩類下剤
腸管内に水分をよびこむことで腸のぜん動運動を促進
膨潤性下剤
薬剤自体が腸管内の水分を吸収して膨張し、大腸に刺激を与えてぜん動運動を促進
浸潤性下剤
便を軟便化させ、排便を促す
刺激性下剤
腸管神経叢に直接作用、ぜん動運動を亢進。けいれん性便秘には使わない

同じ下剤を長期間連用すると、精神的な依存や腸の筋力低下などから、習慣性になったり、効きにくくなったりすることもあります。作用の異なる下剤に変えたり、徐々に減量することが必要です。
防風通聖散、カンゾウなど、漢方や生薬の下剤もあります。

乳酸菌を使った整腸剤は、下剤に比べ、おだやかな効き目で腹痛がない、腸内環境のバランスを整えて便秘・軟便の両方の症状を改善する、などの長所があります。

便秘治療薬成分の作用と特徴

くすりの種類 主な成分 作用、特徴
下剤 塩類下剤 硫酸Mg
酸化Mg
塩類が腸管内の浸透圧を高め、水分が腸管内に移動し、便を軟化増大させてぜん動運動を高める。
膨張性下剤 プランタゴ・オバタ種子(食物繊維) 腸管内で水分を吸収してふくらみ、便を軟化。また、便容積を膨大させることで腸管壁を刺激、ぜん動運動を高める。
湿潤性下剤 ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS) 界面活性作用により、便の表面張力を低下させ、水分を硬い便に浸透させて軟らかくする。
刺激性下剤 センノシド・Ca、センナ
アロエエキス、ダイオウエキス
大腸のアウエルバッハ神経叢を刺激して、ぜん動運動を亢進させる。
ピコスルファートNa 小腸で加水分解されずに大腸に移行し、大腸粘膜を刺激し、ぜん動運動を亢進させる。比較的腹痛などが少ない。
ビサコジル 成分が大腸を直接刺激して腸のぜん動運動を亢進させる。
カサントラノール 腸内細菌により代謝され、代謝物が大腸粘膜を刺激して腸のぜん動運動を亢進させる。
漢方 大黄甘草湯 体力がやや落ちた人にも使いやすく、常習便秘に広く用いる。
防風通聖散 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人に用いる。
麻子仁丸 老人や病後の習慣性便秘に用いやすい。
大承気湯 肥満気味で胃腸が丈夫な人に用いる。
生薬 カンゾウ 腸のけいれんを和らげ腹痛を抑える。
ケツメイシ 腸のはたらきを整える。
坐薬 炭酸水素Na
無水リン酸二水素Na
腸内に炭酸ガスを発生させることで大腸を刺激し、排便を促す。直腸性便秘に適している。
浣腸 グリセリン 腸壁を滑りやすくさせ、また腸を刺激して動きを活発にさせる。乱用すると、便意を感じにくくなる可能性があるので注意。
整腸剤 整腸生菌成分 乳酸菌類(ラクボンなどの有胞子性乳酸菌、ラクトミン、ビフィズス菌など)、納豆菌、酪酸菌 腸内環境を整える。腸内で善玉菌を増やし、有害な悪玉菌の増殖を抑え、整腸作用を示す。

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