肩こりはマッサージや体操、ビタミンの補給などのセルフケアによって症状の軽減が期待できます。こりを感じる部位に、鎮痛消炎成分を配合したOTC医薬品を使用してみてもよいでしょう。症状がなかなか改善しないときや頭痛や吐き気などを伴うときは、専門医による治療をおすすめします。
生活習慣などによる肩こりは、セルフケアで症状の軽減・解消を図ってみましょう。
肩こりによる刺激でブラジキニンやヒスタミンという痛みを起こす物質(発痛物質)が作られ、感覚中枢に作用して痛みを起こします。
この時、プロスタグランジンという物質も作られており、これが炎症を起こしたり、シナプス(神経終末)に作用して痛みを増強させたりします。
痛みがあるとその部分が緊張してしまい、また筋肉が硬くなってこりを繰り返してしまいます。 消炎鎮痛成分を配合した外用薬(シップ薬など)により、痛みを初期の段階で抑え、痛みの悪循環を防げる事があります。
こった部分が痛くてつらいときは、フェルビナクやインドメタシンなどの消炎鎮痛成分を配合したシップ剤(パップ剤)、ローション、ゲル、スプレーなどの市販薬(OTC医薬品)を上手に活用しましょう。ロキソプロフェンナトリウム水和物、フェルビナクやインドメタシンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる鎮痛作用を持つ成分で、痛みの原因物質であるプロスタグランジンを効果的に抑えてくれます。
患部の場所や症状によって適切なものを選んでください。
くすりの形状 | 患部の場所 | 効果 | 使用感 | |
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ゲル・クリーム | 肩、腰、腕など | 貼り薬が貼りにくいところにも使用できる。 | 伸びがよく、皮膚への刺激は少ない。 | |
エアゾール・スプレー | 肩、腰、腕など | 冷却効果が期待できる。 | 速乾性があり衣服を汚さない。手を汚さず、使いやすい。 | |
ローション・液体 | 肩、腰、腕などで広範囲の使用ができる。 | 冷却効果が期待できる。 | 手を汚さず、使いやすい。浸透感がある。 | |
貼付剤 | パップ | 急激な痛みを感じる肩や腰など。 | 冷感タイプは冷却効果で急性期に効果的。 温感タイプは血行促進効果で慢性期に効果的。 |
水分を多く含み、患部への浸透が継続する。皮膚の弱い人は注意が必要。 |
テープ (プラスター) |
肩や腰など、日常的にだるさを感じる場所。 | 脂溶性の基剤であり、薄くてはがれにくいので有効成分が継続的に浸透しやすい。 | 動きが激しい患部にも使える。皮膚の弱い人は注意が必要。 |
パップ及びテープには、冷感タイプと温感タイプがあるものもあります。冷感タイプは、メントールなどを配合し、清涼感を強く感じる処方になっています。一方温感タイプは、トウガラシエキスのような灼熱感を与える成分を配合しており、ぽかぽかした感じがして血行が促進されます。
皮膚の弱い人、妊娠中の人、15歳未満の小児、喘息の発作がある人などは、成分によって注意が必要なものもあります。購入前に薬剤師に相談しましょう。
筋肉の疲労、血行不良、末梢神経の傷の回復には、ビタミンを補給して内からケアするのも効果的です。
蒸しタオルなどを患部にあてて温めてみましょう。ゆっくりと入浴して体全体を温め、リラックスして疲れをとるのも大切です。温めることで筋肉の血行が促進され、血流がよくなり、肩こりの軽減が期待できます。また、患部をマッサージしてもみほぐすことも、血流を改善し、硬直した筋肉をやわらげる効果につながります。
冷え性は血行が悪くなり、肩こりにつながる可能性があります。夏の冷房対策、栄養バランスのとれた食生活を心がけ、冷え性を改善するのも重要なポイントです。
肩こりをやわらげるのには体操も効果的です。
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