排便回数が増え、軟便あるいはかゆ状の便が出てくる「下痢」は、食中毒など感染を起こしたとき(分泌性下痢)、腸の水分吸収が不十分なとき(浸透圧性下痢)、暴飲暴食やストレスなどで腸が動き過ぎるとき(運動亢進性下痢)に起こります。
腸は胃から続く十二指腸から肛門までをつなぐ消化管です。胃で消化された内容物は、「小腸」で消化酵素のはたらきによりさらに分解・栄養素のほとんどを吸収され、液状もしくはかゆ状となります。その後、「大腸」でゆっくりと水分が吸収されて固形化し、肛門へと送られます。
腸の動きには自律神経のはたらきが大きな役割を果たしています。便を体外に送り出すためのぜん動運動(=腸のくびれが肛門方向に伝わっていくこと)は、胃に食べ物が入ると始まるよう指令が出ます。また、便が直腸に達すると大脳に指令が送られ、便意をもよおします。ただ便意を感じても肛門の括約筋を締めてがまんし、脳からの指令によって排便をがまんすることができます。
下痢は、症状を起こす原因によって3つに分けられます。
食あたりなどで細菌に感染したときや、小麦、魚介などによる食物アレルギー、薬(解熱鎮痛薬など)の影響で腸粘膜に障害を起こしたときなどは、腸管内の分泌液が過剰となり下痢を起こします。
腸管内に浸透圧を上げる(腸の外から水分を取り込もうとする)成分があると、水分吸収がうまく行われず、下痢を起こします。浸透圧を上げるものには、一部の下剤(マグネシウム含有製剤など)やサプリメント、食品(ソルビトール、キシリトールなど)があります。
ストレスや暴飲暴食、冷えなどによって自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが過剰に亢進すると、便の通過スピードが速くなって水分の吸収が不十分になり下痢を起こします。腹痛を伴うことが多いのが特徴です。
下痢を継続する時期で分けると、一般に4週間以内の下痢を「急性下痢」、それ以上続く下痢は「慢性下痢」と呼ばれています。慢性下痢にはストレスからくる神経性のものや、全身的な病気の一症状、または薬物の副作用による腸内の炎症など、さまざまな原因が考えられます。
精神的ストレスなどが原因で、3ヶ月以上にわたって月に3日以上、腹痛や腹部の不快感を引き起こします。
便の形状によって、下痢型のほか、便秘型、下痢と便秘が交互に起こる下痢便秘型に分類されます。
大腸の粘膜に慢性的な炎症が起き、粘膜がただれたり潰瘍が多発します。
長時間の腹痛や下痢が続き、粘液や血液の混じった便がでることもあります。
腸の中でイボ状に突き出た腫瘍です。下痢や便秘、血便などの症状がみられることがあります。放置すると大腸がんに進行する可能性もあり、注意が必要です。
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