製品ヒストリー
《第一三共胃腸薬》
第一三共胃腸薬の生まれた背景
1957年11月、三共胃腸薬の登場
1950年代後半は、戦後の復興からさまざまな食品があふれ始めた「飽食の時代」。これに合わせて食べ過ぎで困る人が増え、“穀物に含まれるでんぷんを消化する酵素”に、制酸剤や生薬などの有効成分を複合的に配合した胃腸薬、「三共胃腸薬」が発売されました。
この、主に“でんぷんを消化する酵素”こそ、三共(現:第一三共)株式会社の初代社長である高峰譲吉が1894年に麹菌から発見した消化酵素「タカヂアスターゼ」。翌1895年には胃腸薬「タカヂアスターゼ」として米国で発売され、世界的な成功を収めました。
「三共胃腸薬」発売後、変わりゆく日本の食生活やライフスタイルに寄り添うように製品開発を続けてきました。
糖質だけでなくタンパク質の消化力も併せ持った消化酵素剤「タカヂアスターゼN」配合の「新三共胃腸薬」を発売。西洋の食文化が定着、肉や乳製品などの脂肪摂取が増えるのにあわせ脂肪分解酵素「リパーゼAP6」を配合したリニューアル。その後も処方改良を重ねていきます(現在は「タカヂアスターゼN1」「リパーゼAP12」を配合)。
また、飲みすぎや胃酸過多に対応した「三共グリーン胃腸薬」、女性の社会進出にあわせ女性が旅行や外食時に「思い切り食べたいけれど、胃もたれが気になる」という悩みを持つことに着想を得て開発された「新三共胃腸薬〔細粒〕」のピンクパッケージなど、時代にあわせてラインアップを拡充。
加齢とともに胃と腸のトラブルに悩む割合も増加傾向であることや、胃だけでなく腸のケアへの関心が高まる時代背景の中、胃薬ではなく胃腸薬としての効果を改めて訴求した、胃と腸、両方に効く「新三共胃腸薬プラス」が登場し、以来、製品ラインアップの中心となっています。
第一三共胃腸薬のブランドメッセージは「人生おいしく」。毎日の食事も、特別な外食も、食事を楽しむという日々のQOLを支えていく姿勢は、発売から60年以上経った今もなお、変わることはありません。
高峰譲吉と「タカヂアスターゼ」について、詳しくはこちらをご覧ください。
第一三共株式会社:今も脈々と受け継がれるDNA。三共株式会社初代社長高峰譲吉のイノベーションへの熱い想い
製品担当からのコメント
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「第一三共胃腸薬」は、消化を助ける消化酵素「リパーゼAP12」「タカヂアスターゼN1」と、胃もたれや不快感に効く6種の健胃成分を配合。「第一三共胃腸薬プラス」には、2つの消化酵素と6つの健胃成分の他、腸の働きを高める植物性乳酸菌「ラクボン」が配合され、弱った胃に効き、腸の状態を正常に近づけます。生きたまま腸まで届く「ラクボン」が配合されていますので、整腸、軟便、便秘にも効果が期待できます。
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飲みやすさ、使いやすさなどを考え、細粒と錠剤の2種類を「第一三共胃腸薬」ではラインアップ。細粒は分包のため持ち運びに便利なだけでなく、小さなお子さまやご高齢の方で固形物を飲み込むことが難しいときは、粉薬の方が飲みやすい場合もあります。「第一三共胃腸薬細粒s」と「第一三共胃腸薬プラス細粒」は、3歳以上から服用いただける胃腸薬となっています。
製品年表
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1957年
「三共胃腸薬」が誕生消化酵素「タカヂアスターゼ」の他、制酸剤や生薬などの有効成分を複合的に配合し、幅広い症状に効果があることから人気を博しました。
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1962年
- 三共整腸薬
- 三共胃腸薬-U
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1963年
- 三共肝臓胃腸薬、三共肝臓胃腸薬(錠)
胃腸と肝臓の両面で総合的な効果を発揮する胃腸薬「三共肝臓胃腸薬」を発売。
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1967年
- 新三共胃腸薬
糖質だけでなくタンパク質の消化力も併せ持つ消化酵素成分となった新しい消化酵素剤「タカヂアスターゼN」を配合。3種の制酸剤と8種の和漢・健胃生薬を配合して、「新三共胃腸薬」となりました。
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1969年
- CMキャラクターに「加東大介」さんを起用
1971年
- 三共消化胃腸薬
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1973年
- 新三共胃腸薬(顆粒)
「タカヂアスターゼN」、生薬などに加えて植物性乳酸菌「ラクボン」を配合。消化、健胃作用と共に、整腸効果も発揮。
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1977年
- 新三共胃腸薬-L錠
食べ過ぎ・飲み過ぎに対する健胃作用の他に整腸作用をプラス。L錠のエルは、植物性乳酸菌「ラクボン」のイニシャルです。
1978年
- CMキャラクターに「財津一郎」さんを起用
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1981年
- 三共グリーン胃腸薬錠
高度経済成長期を経て食生活も変化。宴会が増加する中、胃の不調を訴える方も増加しました。そこで、飲み過ぎや胃酸過多で荒れた胃のために「三共肝臓胃腸薬」の処方を変更し「三共グリーン胃腸薬」として発売されました。
- 三共鎮痛鎮痙胃腸薬
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1982年
- CMキャラクターに「ダーク・ダックス」さんを起用
1983年
- 三共グリーン胃腸薬細粒
胃腸薬に対する消費者のニーズが、ファミリーユースからパーソナルユースへと変化し始めたことから、ラインアップを拡充。
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1985年
- 三共漢方胃腸薬
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1986年
- 新三共胃腸薬<細粒>・<錠剤>
家庭の食卓に洋食が並ぶようになり、脂肪摂取量が増大した食生活とストレスの多い生活環境へ対応するため、脂肪を分解する酵素「リパーゼ」を追加配合。
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1987年
- CMキャラクターに「江守徹」さんを起用
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1990年
- 三共薬草胃腸薬
ドリンクタイプの健胃薬「薬草胃腸薬」の処方を変更し「三共薬草胃腸薬」として発売。
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1991年
- CMキャラクターに「お猿の次郎」くんを起用
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1993年
- 三共グリーン胃腸薬A<顆粒>・<錠剤>
「三共グリーン胃腸薬A」は、胃のもたれ、むかつき、胃痛、胸やけの治療をターゲットにした胃腸薬。従来の三共グリーン胃腸薬にジメチルポリシロキサンとアルジオキサを成分に加え、優れた胃粘膜修復作用、消泡作用、制酸作用、消化作用を発揮し、胃の不快感の改善効果がありました。
- CMキャラクターに「徳光和夫」さんを起用
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1997年
- 新三共胃腸薬液
- 三共Z胃腸薬
- 三共胃腸薬「漢方」
「三共Z胃腸薬」は、胃酸の分泌をコントロールするH2ブロッカーを配合したスイッチOCT医薬品として発売。H2ブロッカーと3種類の制酸剤が胃の粘膜病変の原因となる胃酸を中和させ胃酸分泌を抑制するので、胃の痛み、胸やけなどの症状をすみやかに消すことができました。
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1999年
- 新三共胃腸薬〔細粒〕・〔錠剤〕
脂肪摂取量が増大した食生活およびストレスの多い生活習慣に対応し、13年ぶりに処方内容をリニューアル。以前から配合されていた「タカヂアスターゼN1」に加え、脂肪消化酵素「リパーゼAP12」、胃粘膜修復作用のある生薬を配合。制酸成分、健胃生薬などもバランスよく配合し、さまざまな症状にスッキリ効く処方に。
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2001年
- 新三共胃腸薬グリーン〔顆粒〕・〔錠剤〕
飲み過ぎ・胃酸過多など荒れた胃の粘膜を修復&守る2種類の成分を配合。出すぎた胃酸を3種の制酸成分がすばやく中和します。また、錠剤には胃酸の分泌をおさえる成分を加えました。
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2002年
- CMキャラクターに「石塚英彦」さんを起用
2005年
- 新三共胃腸薬〔細粒〕(ピンクパッケージ)
胃のもたれ、胃痛などの胃の症状の他、便秘、腹部膨満感などの腸の症状にもフォーカスし、女性が選びやすいパッケージデザインに。
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2007年
- 新三共胃腸薬プラス 細粒・錠剤
乳酸菌に注目が集まる中、胃もたれや消化不良だけでなく、生きたまま腸まで届く植物性乳酸菌「ラクボン」を配合。「新三共胃腸薬プラス」は腸内環境を改善し、「胃」と「腸」をダブルケアできる製品として発売。
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2010年
「新三共胃腸薬」から「第一三共胃腸薬」に、製品名称を変更
「新三共胃腸薬」シリーズの製品名称を企業名に合わせ「第一三共胃腸薬」に変更。CMサウンドロゴも小林亜星さんが再度音符を書き直し「♪第一三共胃腸薬♪」となりました。2010年
- CMキャラクターに「伊吹吾郎」さんを起用
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2011年
- 第一三共胃腸薬コアブロック散剤・錠剤
出過ぎた胃酸を中和する「制酸剤(沈降炭酸カルシウム・水酸化マグネシウム)」と胃酸分泌を抑える「ロートエキス」に加え、胃粘膜を修復する「セトラキサート塩酸塩」を配合した制酸系胃腸薬。
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2011年
- CMキャラクターに「伊藤淳史」さんを起用
2013年
- 第一三共胃腸細粒(指定医薬部外品)
胃もたれや胸やけなど、胃腸の不快な症状にすぐ対応できるように、指定医薬部外品として全国のコンビニエンスストアで発売。
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2015年
- 第一三共胃腸薬〔細粒〕a
これまで配合していた整腸作用のある乳酸菌に代えて、新たに胃痛に対して鎮痛作用のあるロートエキスを加えリニューアル発売。食生活やライフスタイルの変化に伴う、ニーズの多様化に対応しました。
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2017年
「第一三共胃腸薬」誕生60周年特別企画
有楽町と新橋で「人生おいしく横丁」をそれぞれ開催。 -
2019年
- 第一三共胃腸薬プラス細粒・錠剤
パッケージリニューアルを行い「胃」と「腸」のダブルケアがよりわかりやすく表示されました。
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2021年
- 第一三共胃腸薬細粒s・錠剤s
当社に寄せられたお客様の声により、緑内障の方にもお使いいただけるようリニューアル。同時に、細粒は分包にも使用期限を記載し、錠剤は小容量(50錠)瓶の口径を広げ取り出しやすくなりました。